韓国では25日に新型コロナウイルスの新規感染者数が3272人と過去最多になり、26日も2番目に多い2771人にのぼるなど、秋夕(チュソク、陰暦8月15日の節句、新暦で今年は9月21日)の連休以降感染が拡大しているが、感染者数が増えても段階的な日常回復(ウィズコロナ)を始めなければならないという声があがっており。
嘉泉大学医学部のチョン・ジェフン教授(予防医学)は26日、本紙に「秋夕の連休の際に感染者の状況がよくなくても防疫を緩和したのは、段階的な日常回復がすでに始まったものと見なければならない」とし、「段階的な日常回復は特別なことではなく、遅く始めたからといって被害を減らせるわけではない」と強調した。
チョン教授は、ワクチン接種で免疫を形成するには限界があり、ワクチン接種だけでは集団免疫に到達できないだろうと見通した。同教授は「ワクチン未接種者に対する予約が進んでいるが、未接種者の予約率が低く、11月以降も接種完了率は80%に及ばない可能性が高い」とし「ワクチンの平均感染予防効果が80%だとすれば、全国民の免疫水準は64%(接種完了率×感染予防効果)にとどまる」と分析した。さらに「集団免疫には全国民の83%の免疫水準が必要であることを考えると、人口の19%が感染し、免疫を得なければならない」とし「人口の19%(1千万人程度)が追加で感染し免疫力を得るには、毎日3千人の感染者が出ても10年かかる」と説明した。
さらに、「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」の効果が減少している状況であり、結局は段階的な日常回復に進むしかないという現実的な悩みも大きい。チョン教授は「シミュレーションの結果、今年7月に始まった社会的距離措置レベル4は、感染力減少効果が半分以上減った」とし、「10月末まで新規感染者数3千人が維持されたり、さらに増えたとしても、段階的に日常回復を始めなければならず、そのための準備を進めなければならない」と説明した。チョン教授は段階的な日常回復のための準備事項として、未接種高危険群に対するワクチン接種▽患者を受け入れる重患者治療病床と医療人材▽軽症患者の追跡体系の単純化▽軽症患者の在宅治療などを挙げた。
チョン教授は「段階的な日常回復を始めないのは、問題の解決を先送りするだけだ」とし、「韓国社会が1日1万人の感染者発生を受け入れることができるなら3~5年かかるだろうし、数万人の感染者を受け入れることができるなら2~3年以内に感染被害を受けきる(集団免疫を形成する)ことになるだろう」と見通した。