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韓国の大統領選挙は今「悪い男」全盛時代(2)

登録:2021-09-18 03:52 修正:2021-09-18 10:49
イラスト=ハ・ジェウク//ハンギョレ新聞社

 (続き)国民の力の大統領選候補は、ひとまずアン・サンス、ウォン・ヒリョン、ユ・スンミン、ユン・ソクヨル、チェ・ジェヒョン、ハ・テギョン、ホン・ジュンピョ、ファン・ギョアンの8人に絞られた。

 10月8日に発表される2回目のカットオフで、これが4人に絞られる。これまでの世論調査結果を基準に選ぶと、ホン・ジュンピョ、ユン・ソクヨル、ユ・スンミンの3人が入り、最後の椅子をめぐってウォン・ヒリョン、チェ・ジェヒョンの2人が争うとみられる。

 11月5日に発表される予備選挙の最終勝者が誰になるかは、まだ分からない。先頭を走っていたユン・ソクヨル前検察総長は、告発教唆疑惑が持ち上がったため落ち始めており、一方でホン・ジュンピョ議員は上昇の波に乗りつつあるためだ。

 興味深いのは、国民の力の予備選挙でも「悪い男」のイメージを持つホン・ジュンピョ議員とユン・ソクヨル前総長がトップ争いをしているということだ。

 ホン・ジュンピョ議員は、暴言の前歴と豚興奮剤事件問題をすでに乗り越えたようだ。彼にはもともとマッチョなイメージがあるため、その程度のことは欠点には見えない。

 ユン・ソクヨル前総長の歩く姿はとても傲慢に見える。「首振りユン」、「大股広げ男」という非難もあふれている。ところが、まさにそのような姿のため、彼が好きだという有権者がかなりいる。理由を尋ねると、「文在寅政権の人々に一泡吹かせてくれる気がして」という答えが返ってきた。

 ユ・スンミン前議員、ウォン・ヒリョン前済州道知事、チェ・ジェヒョン前監査院長が苦戦するのも同じ理由だろう。エリートすぎたり、上品すぎたりするということだ。当人としては開いた口が塞がらないことだろう。

 与野党のトップランナーの間で誹謗中傷合戦が加熱するのは、「悪い男たちの対決」という構図の必然的な結果なのかもしれない。最近の政治ニュースは「イ・ジェミョン対ホン・ジュンピョ」、「ホン・ジュンピョ対ユン・ソクヨル」、「ユン・ソクヨル対イ・ジェミョン」の激突が大部分を占めている。激しい接戦だ。

 メディアもしばしば争いを煽る。しかし、そろそろ自制すべきだ。大統領選挙は喧嘩の強い人を選ぶものではない。5年にわたって大韓民国の国政を導いていく政治指導者を選ぶものだ。

 正義党は公職候補者を全党員による投票で選出する。10月1日から5日までのオンライン投票、6日の自動音声電話投票で候補を確定する。過半数を得た候補がいなければ直ちに決選投票を行う。シム・サンジョン、イ・ジョンミ両元代表、キム・ユンギ元副代表、ファン・スンシク京畿道党委員長が立候補している。

 2017年の大統領選挙での同党のシム・サンジョン候補の得票率は6.17%。今回の正義党はどれくらい得票率を伸ばせるだろうか。進歩政党政権への道は遠い。

 第3地帯で奔走する走者もいる。国民の党のアン・チョルス代表とキム・ドンヨン前経済副首相だ。共に民主党と国民の力の争いが激化したことで、中間地帯はほとんどなくなっている。彼らの生存空間も狭い。2人は来年2月13~14日の候補者登録直前までの状況を見極めたうえで、与野党いずれかと終盤での「ディール」に乗り出す可能性もある。

 秋夕(陰暦8月15日の節句、今年は新暦9月21日)の連休後の大統領選挙局面を左右する最大の関心事は、やはりユン・ソクヨル検察総長時代の検察の「告発教唆」疑惑事件だ。昨年4月に最高検察庁のソン・ジュンソン捜査情報政策官が未来統合党のキム・ウン候補に告発状を送ったというのは、今やほぼ「事実」として固まりつつある。ソン・ジュンソン検事がユン・ソクヨル検察総長の最側近参謀だったということも否定できない事実だ。

 かといって、ユン・ソクヨル前総長が告発を教唆したと自動的に立証されるわけではない。告発教唆疑惑事件のカギはソン・ジュンソン検事の口ということになりそうだ。彼の発言によって、2022年3月9日の大統領選挙の構図が完全に変わる可能性がある。ソン・ジュンソン検事が沈黙を守った場合、告発教唆疑惑は未解決事件として残りうる。

 ホン・ジュンピョ議員とユン・ソクヨル前総長の争いは、誰が勝者になるだろうか。最近の世論調査の流れは、ホン・ジュンピョ議員が確実に有利に見える。しかしユン・ソクヨル前総長の背後には、いわゆる保守新聞の論客たちがいる。彼の前にすでに列をなしている国民の力の前・現職議員もいる。下手な予測は禁物だ。

 本当に重要なのは、ホン・ジュンピョとユン・ソクヨルの対決ではないかも知れない。国民の力の候補になったからといって、来年3月9日の大統領選挙で無条件に勝つわけではないからだ。国民の力の実務関係者が先日、以下のような分析を発表している。

 「『チョ・グク問題』『仁川空港問題』『LH事件』などの不正・不公正な事例などはあるものの、それが政権の否定的イメージへと直結するわけではない。国民の力は依然として『弾劾-積弊』などに対する情緒的反感とイメージを解消できていない」

 「野党が『守旧・既得権』イメージから脱しない限り、大衆の基本認識は、現在の与党よりも野党の方が『道徳的優位』に立っているとはならないだろう。ユン・ソクヨル前総長や国民の力が確固たる『中道-改革的』イメージを示さなければ、ユン前総長と国民の力に対する支持は当然揺らがざるを得ない」

 国民の力だけでなく、共に民主党の戦略参謀や政治分析家たちも、来年3月の大統領選挙ではイ・ジェミョン京畿道知事が当選する可能性の方が若干高いと考えている。2002年の金大中-盧武鉉、2012年の李明博-朴槿恵の場合と同様に、与党候補が現職大統領とは異なるアイデンティティを持っているため、政権交代世論をかなりの部分吸収しうるというのがその根拠だ。

 しかし、選挙は分からないものだ。 1997年12月の大統領選挙が1週間でも遅く行われていたら、当選者は金大中ではなく李会昌(イ・フェチャン)だったはずだ。 選挙結果は偶然の要素によってかなり左右されるが、選挙結果は国と国民の運命に決定的な影響を及ぼす。 2022年3月9日の大統領選挙までに残された時間は6カ月弱だ。

ソン・ハニョン先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/polibar/1012105.html韓国語原文入力:2021-09-17 04:59
訳D.K

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