北朝鮮のキム・ヨジョン労働党副部長が15日、韓国の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射実験の成功に関し「ミサイル戦力の増強が北朝鮮の挑発に対する抑制力」と述べた文在寅(ムン・ジェイン)大統領の発言を非難し、南北関係が完全に破壊されるかもしれないと警告した。
キム・ヨジョン副部長は同日、朝鮮中央通信に談話を発表し「南朝鮮の文在寅大統領が『我々のミサイル戦力は北朝鮮の挑発を抑止するのに十分だ』という不適切な失言をした」とし、「一国の大統領としては愚昧極まりない」と非難した。また「大統領まで出てきて相手を中傷するのに加勢すれば、(我々も)やむを得ず対抗行動を取るしかなく、そうなれば北南関係は完全な破壊に突き進むことになる」と警告した。一方でキム副部長は「我々はそれ(南北関係の完全破壊)を望んでいない」と述べ、発言のレベルを調整した。
キム副部長は「大統領が、記者などがむやみに使う『挑発』という言葉を真似て使っていることに対し、非常に強い遺憾を表明する」とし、「何事も言動については熟慮しなければならない」と主張した。文在寅大統領は同日午後、国防科学研究所(ADD)総合実験場で、国内技術で独自開発したSLBMの初の発射実験に立ち会った後、「韓国のミサイル戦力の増強こそが北朝鮮の挑発に対する確実な抑止力になる」と述べた。
今回の対南談話は注目すべき点がある。まず異例にも「文在寅大統領」を名指して非難した。以前にも北朝鮮は談話などを通じ、事実上文在寅大統領を狙って激しい非難を展開してきたが、「南朝鮮当局者」などの表現で遠まわしに非難してきた。一方、今回の談話は「文在寅大統領」と実名を挙げて非難したが、以前に使った「牛の頭」や「怖気づいた犬」のように乱暴で侮辱的な表現は使わなかった。文大統領の実名を挙げる代わりに、非難表現のレベルは下げたわけだ。
文大統領のこの発言が公開されて4時間後、南北関係を総括しているキム副部長が同日夜に談話を出して反発したのは、北朝鮮の強い不快感を表している。
同談話は、これらの弾道ミサイルの発射は挑発ではないと説明した。「我々(北朝鮮)は現在、南朝鮮が憶測しているように、誰かに向かって、時期を選んで『挑発』しているのではなく、わが党大会(今年1月)の決定を貫くための国防科学発展および兵器体系開発5カ年計画の初年度の重点課題を遂行するための正常かつ自衛的な活動を進めている」とし、「具体的に説明するなら、南朝鮮の『国防中期計画』のようなもの」とも述べた。