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韓国軍、「戦術核」の威力に匹敵する新型ミサイル開発か

登録:2021-09-03 04:10 修正:2021-09-03 06:59
2022~2026年中期国防計画に 
「より遠く、強く、精密に発射する 
様々なプラットフォームのミサイルを開発」明示
北朝鮮のミサイル発射実験が続いていた2017年11月、韓国海軍のイージス駆逐艦が未明の闇の中で海星-2(艦対地)ミサイルを発射する様子=韓国海軍提供//ハンギョレ新聞社

 国防部は、北朝鮮の核やミサイルの脅威を相殺するため、今後5年間で「破壊力を増強した様々なミサイルを持続的に戦力化する」と発表した。政界の一部が再配備を要求している戦術核に迫る絶大な威力を持つ弾道ミサイルの開発を念頭に置いているのではないかとの分析が出ている。

 国防部は、2日に公開した「2022~2026国防中期計画」で、今後韓国軍が進めるミサイル開発について、より遠く、強く、精密に発射できるミサイル▽破壊力が増した地対地、艦対地などの様々なミサイル▽2021年5月のミサイル指針終了に伴い、潜在的脅威に対する抑止力を発揮し、核心標的の打撃能力を向上させたミサイルを開発するとの原則を明らかにした。

 現在、韓国軍は「玄武(ヒョンム)-2」(弾頭重量1.5トン)という名の地対地弾道ミサイルの実戦配備を進めているほか、昨年にはそれよりも大きな威力を持つ「玄武-4」(弾頭重量2トンと推定)の試験発射に成功している。また、500キロ程度の弾頭を搭載できる巡航ミサイル「玄武-3」も保有している。そのほか、艦船から発射する艦対地ミサイル「海星(ヘソン)-2」と潜水艦から発射する潜対地ミサイル「海星-3」を実戦配備している。

 韓国軍のミサイル能力向上に新たな転機が訪れたのは、5月21日の韓米首脳会談で、これまで韓国独自のミサイル開発を制約してきたミサイル指針(射程距離800キロ以上の弾道ミサイル開発の禁止)が終了したことによるものだ。国防部はその直後の31日、国会国防委員会への業務報告に提出した資料で「ミサイル指針の終了に伴い防衛力を強化」するとし、これを実現する具体的な方向性として「韓国軍主導の防衛力をより強化できるよう、戦力体系などを補完し発展」させ、「空中・海上基盤の宇宙発射体を運用できる様々なプラットフォームなどを開発」するという計画を明らかにしている。国防部がミサイル指針の終了直後に「戦力体系などを補完し発展させる」と言及したことで、800キロという射程距離制限を受けずに、非常に大きな威力を持つ弾道ミサイル「玄武-5」や、新たな艦対地ミサイルなどを開発するのではないかという推測が相次いで示された。

 これに関しては、複数の軍消息筋が聯合ニュースに対し「弾頭の重量が最大3トンに達する地対地弾道ミサイルの開発に着手し、ほぼ完成段階に達した。今後は数回の発射実験の過程を経て、最終的な戦力化の時期を判断する」と述べている。一部では、このミサイルが配備されれば戦術核兵器級の威力を発揮し、敵の堅固な坑道や地下指揮所を破壊できるとみている。国防部もこの日の資料に、「これまでの地上の標的中心の攻撃ではなく、坑道や建物の破壊が可能で、誤差をテニスコートの大きさから建物の出入り口の面積にまで縮小した」ミサイルを開発するという意味深長な表現を用いている。

キル・ユンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1010224.html韓国語原文入力:2021-09-02 16:07
訳D.K

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