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韓国政府、モデルナのワクチン供給支障で訪米するも…具体的な成果なし

登録:2021-08-18 04:03 修正:2021-08-18 08:46
訪米代表団、早期供給など要請 
契約書上、法的圧力は困難 
今週中に8~9月の供給量を再度通知することに 
 
サムスンバイオ委託分の韓国への供給も保留 
モデルナはブースターショットの営業の方に関心
モデルナ本社のワクチン販売責任者との交渉のために米国を訪問し、帰国したカン・ドテ保健福祉部第2次官(左)が15日午後、仁川国際空港第2ターミナルの入国ロビーに出てきているところ/聯合ニュース

 モデルナのコロナワクチンの相次ぐ供給支障に対応するため、韓国政府は代表団を米国の同社本社に送った。しかし具体的な8~9月の供給量と供給安定化策は持ち帰れなかった。政府は、サムスンバイオロジックスによるモデルナのワクチンの受託生産分を国内に直接供給するという問題についても「かなり期間がかかる」と述べ、第3四半期での利用は期待薄となった。

 韓国政府代表団のカン・ドテ保健福祉部第2次官は17日のブリーフィングで、「(代表団は)このかん供給されていない物量をできるだけ8月から9月初めまでに提供すること、供給予定量の供給時期を繰り上げること、具体的な供給計画を早急に伝えることをモデルナ社に強く要請した」と述べた。モデルナ側は「8~9月の供給量は韓国にすでに通知してある量より拡大し、9月の供給日程も繰り上げるために最善を尽くす」と答え、今週中に8~9月の供給量と供給日程を改めて通知することにした。

 政府は9日、8月に供給されることになっていた850万回分を半分以下に減らすという通知をモデルナ社から受けたため、7月の未供給分65万8000回分を含む計915万8000回分について再交渉しなければならないと明らかにしていた。そのために代表団はモデルナの米国本社まで訪ねたが、明確な成果や拘束力のある約束は得られないまま帰ってきたことになる。これはすでに、ある面では予想されていた。訪米前に政府は「ワクチンの具体的な供給日程は協議を通じて決めるもので、契約書には明示されていないため、供給の支障を契約違反だと判断するのは難しい」とし、法的に圧力をかけることも難しいということをほのめかしていた。

 カン次官や大統領府のリュ・グンヒョク社会政策秘書官を含む4人の政府代表団は13日(現地時間)、米モデルナ本社を訪問し、モデルナ最高販売責任者のコリン・ルゴフ氏ら8人の関係者と3時間にわたり協議を行った。カン次官は「モデルナ社側は韓国政府と韓国国民に迷惑をかけたことについて謝罪し、ワクチン供給支障の原因について説明するとともに、問題がほとんど解決したことを説明した」と述べた。同社は、7~8月の供給支障は協力製造所の実験室の問題であり、現在この問題は解決され、7月分が徐々に出荷されつつあると語ったという。

 代表団は、サムスンバイオロジックスの受託生産分が韓国に供給されることが望ましいとの考えも伝えたが、同じく確実な回答は得られなかった。カン次官は「韓国側はワクチン供給の安定性確保の観点から、また流通過程の効率化などの側面から、国内での受託生産分は国内に供給されることが望ましいという意見を提示した」としつつも「委託生産と様々な品質検査、許可などの手続きにかなりの時間がかかることを考慮し、引き続き協議していくことにした」と述べた。これは、サムスンバイオロジックスは今月末に試作品を生産する計画ではあるものの、実際の完成品の大量生産までには時間がさらに必要になるということを意味する。結局のところ、10月末までに進められる全国民の70%の接種に国内生産分のモデルナのワクチンを用いるのは容易ではないとみられる。

 モデルナ社は、来年もブースターショット(追加接種)用の購入計画がある韓国政府側に対して自社のワクチンのブースターショットの効果を説明するなど、「ワクチン営業」の方により関心を示した。モデルナ社はその席で、自社のワクチンによるブースターショットの効果についての研究結果、米食品医薬品局(FDA)によるコロナ高危険群に対するブースターショットの承認、米予防接種諮問委員会(ACIP)による免疫低下者に対するmRNAワクチンを用いたブースターショットの勧告など、最近の動向を韓国側に提供した。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1008003.html韓国語原文入力:2021-08-17 16:32
訳D.K

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