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韓国で難民認定を待つ人々が就業許可を求め提訴「働かなければ生きていけない」

登録:2021-07-07 03:45 修正:2021-07-07 08:39
大邱でアフリカ出身者6人が提訴 
「難民再申請期間中に働かせてほしい」
6日午前、大邱地裁前でアフリカのギニア出身のハーディヤさん(34)が、難民認定再申請の結果を待っている間に働かせてほしいと訴えている//ハンギョレ新聞社

 「私は難民です。夫と4人の子どもがいます。子どもたちはみな韓国で生まれました。子どもたちは食べていかなければなりません。学校にも行かなければなりません。韓国でお金がないと生きていくのが大変です。働かなければお金を得られません。働かなきゃならないんです。どうか助けてください」

 6日午前、大邱(テグ)地裁前に立ったアフリカ・ギニア出身のハーディヤさん(34)はこう訴えた。ギニアで民族差別に反対する集会に参加し、軍部の弾圧に耐え切れず、7年前に夫とともに韓国にやって来たという彼女は、韓国で4人の子を生んだ。一度難民審査に落ち、昨年初めに再申請したが、コロナ禍の影響で審査が延期されて1年6カ月になる。ハーディヤさんは3カ月単位で出国期限猶予申請を繰り返しつつ、事実上の難民として暮らしている。

 難民であって難民でない身分であるため、正常な生計の維持は難しい。難民法上は、難民申請後6カ月が経過すればその他(G-1)ビザが取得でき、就業活動が可能となるが、大邱出入国管理所は4月27日にハーディヤさんの就業活動を不許可とした。出入国管理所は、滞在目的の難民申請を抑制するという方針を理由として掲げた。

 結局、彼女は米や粉ミルクなどを支援する市民団体に助けてもらうとともに、夫が当局の目を盗んでアルバイトをして稼いだお金で生計を立てている。

6日午前、大邱地裁前で「大邱慶北移住労働者の人権・労働権実現のための連帯会議」が難民再申請者たちの就業活動の許可を求める訴訟の開始に当たって記者会見を行っている//ハンギョレ新聞社

 この日、ハーディヤさんを含め、大邱で難民申請を行いその結果を待っている6人のアフリカ出身者は、大邱出入国管理所を相手取り、就業活動の不許可決定の取り消しを求める訴訟を起こした。このうちハーディヤさんを含む5人は難民不認定判定を受けており、その後の再申請から1年6カ月ほど待たされている。難民認定の結果を待つ人が就業活動の許可を求めて訴訟を起こしたのは今回が初めて。

 6人の訴訟代理人であるカン・スヨン弁護士(法務法人タムジョン)は「難民認定の再申請者は在留資格がないから一律に就業は許可できないとする決定は、難民法を無視するもの」とし「滞在目的の難民申請を抑制するためという理由も裁量権の乱用」だと述べた。カン弁護士は「難民認定が先送りされている状況において就業許可を出さないのは、子どもたちを飢えさせることにしかならない」と述べた。「大邱慶北移住労働者の人権・労働権実現のための連帯会議」も「本国に戻れない多くの難民申請者は、せいぜい出国期限の猶予程度を期待しながら強制出国を避けるしかない。彼らから働く権利まで奪うということは、生存権すら奪うものだ」と述べた。

文、写真/キム・ギュヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/1002430.html韓国語原文入力:2021-07-06 18:32
訳D.K

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