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韓国空軍の強制わいせつ事件、軍事警察の「理解不可能な」ずさん捜査

登録:2021-06-24 06:45 修正:2021-06-24 07:14
国防部、調査でずさんな捜査を確認したが 
「軍警察の故意性が確認できない」として 
立件せず…身内かばいが問題に
ソ・ウク国防部長官が今月22日午後、ソウル汝矣島の国会本会議場で開かれた政治・外交・統一・安保分野の対政府質問に出席し、答弁している/聯合ニュース

 韓国空軍で起きた強制わいせつ被害者死亡事件を捜査した軍事警察が「許してもらえないなら死んでやる」と、加害者が被害者に送った脅迫メッセージを“謝罪”と認識したと陳述したことが分かった。国防部調査本部はこうしたずさんな捜査疑惑のかなりの部分が事実として確認されたにもかかわらず、関係者の立件については「検討している」という生ぬるい反応を示し、「身内かばい」という批判の声があがっている。

 国防部調査本部当局者は23日、今回の事件を初めて捜査した第20戦闘飛行団の軍事警察大隊が加害者のC中士(中士は副士官の中の階級)を在宅起訴したことについて「捜査官はショートメールを2件送ったことを謝罪と認識したようだ。そうした中、2次加害を加える可能性があるという判断に至らず、逃走や証拠隠滅の恐れがないと考えたという」と述べた。また「在宅起訴の判断は、軍検察官の意見を聞いて総合的に判断したことが確認された」と説明した。

 第20飛行団の軍事警察は、強制わいせつ被害が発生してから半月後の3月17日、C中士を初めて呼んで取り調べた後、再び約20日後の4月7日に「起訴意見」で軍検察に送致した。C中士が拘束されたのは、5月22日、被害者のL中士が遺体で発見されてから約10日が過ぎた今月2日だった。

 国防部調査本部当局者はこうしたずさんな捜査について「職務を疎かにした部分が一部確認された」としながらも、「故意性が立証されておらず、立件して刑事処罰できるかどうか検討している」と述べた。同当局者は「25日に開かれる軍検察捜査審議委員会会議で委員らの話を聞き、最終判断を下す」と付け加えた。このように、捜査本部が第20飛行団の軍事警察関係者をまだ一人も立件していないのは、国防部検察団が同じ容疑を持たれている第20飛行団の軍検察官を被疑者として捜査しているのとは対照をなしている。しかし、国防部は空軍の軍事警察が先月24日、同事件を国防部に報告する際、強制わいせつ被害による死亡であることを報告内容から除外した部分については、国防部検察団に強制捜査を依頼することにした。これと関連し、軍人権センターは同日、報道資料を発表し、空軍本部の軍事警察団長が死亡者が強制わいせつ被害者であるという事実を記載しないよう4回にわたって指示したと主張した。

 一方、国防部は、強制わいせつ被害者のL中士に対し、1年前に別の席で強制わいせつ行為を行った容疑がもたれている元上官を逮捕、起訴することを決めた。 また、L中士が移動した第15特殊飛行団で個人情報の流布など2次加害をした疑いが持たれている上級者2人に対しては、さらなる捜査を行った後、最終処理の方針を決めることにした。今回の事件で、C中士や第20飛行団の軍検察官をはじめ、計13人が被疑者として立件され、取り調べを受けていることが確認された。

キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1000660.html韓国語原文入力:2021-06-24 02:42
訳H.J

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