チョン・デヨプ最高裁判事候補者は28日、国会で開かれた人事聴聞会で、日本軍「慰安婦」被害者らの名誉回復のために努力するという意向を表明した。
チョン候補者はこの日、「日本軍慰安婦への賠償判決がわずか3カ月で勝訴から敗訴に変わった理由はあるのか。国民の法感情と乖離しているのではないか」という共に民主党のシン・ドングン議員の質問に「国家主権理論について、二つの裁判部が互いに異なる判断を下した。『慰安婦』事件は国際法の争点を含んでおり、様々な法的争点があるため、今後の控訴や上告を通じ、最高裁で心血を注ぎ結論を下さなければならないだろう」と答えた。これに先立つ21日にイ・ヨンスさんやクァク・イェナムさんら「慰安婦」被害者や遺族20人あまりは、日本政府を相手取って起こした損害賠償訴訟で、他の被害者12人が起こした1件目の訴訟とは異なり敗訴した。チョン候補者は「『慰安婦』被害者の完全な名誉回復のために努力してほしい」という共に民主党のチェ・ヘヨン議員の要請にも「そのようにする」と約束した。
チョン候補者は、「司法壟断事件」で裁判中のユン・ジョンソプ部長判事がソウル中央地裁に6年間留任となった人事については「異例の人事であることは事実だ」と明らかにした。ただし彼は「事件の担当配分には例規があり、各レベルの裁判所で事務分担委員会が構成され民主的な会議体制を通じて事務配分が行われることを、ソウル高裁に勤務する間に確認し経験した」とし、「中央地裁でどのように事務分担がなされたのかについては分からない」と加えた。
司法府の信頼回復のために努力することも確約した。チョン候補者は「司法府に対する国民の信頼が大きく落ちたことを、様々な面で体感している」とし、「司法府は国民の信頼のみにより存立できる機関であるため、裁判官個人の道徳性、責任性、司法へのアクセシビリティ、裁判の透明性など、すべての面を満たし、信頼を回復しなければならない」と明らかにした。
チョン候補者は、キム・ミョンス最高裁長官がイム・ソングン前釜山高裁部長判事の辞表を差戻し、偽りの釈明を行った議論については「最高裁長官が謝罪したと認識している。ただし、謝罪が十分であるのか、そのような措置が必要なのかどうかについては、退任後に何らかの評価が下されるだろう」と答えた。
国会の人事聴聞特別委員会はこの日午後4時40分頃、チョン候補者の任命同意案の審査経過報告書を与野党満場一致で採択した。国会は29日に予定される本会議で、チョン候補者に対する任命同意案を票決で処理するものとみられる。