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韓国、下半期にはアストラゼネカに代わりファイザーとモデルナのワクチンが主力に

登録:2021-04-26 03:38 修正:2021-04-26 07:41
韓国政府、ファイザー2千万人分を追加契約 
全体の34~42%、アストラゼネカは11~20% 
上下半期のファイザーとモデルナの割合は54~62% 
18歳未満の青少年と20代も接種可能
21日午前、仁川国際空港の貨物ターミナルで、政府がファイザーと直接契約したワクチン12万5千人分を、関係者が貨物航空会社UPSの飛行機から運び出している/聯合ニュース

 韓国でファイザーの新型コロナウイルスワクチン2000万人分が追加導入されることにより、上半期に主力となっているアストラゼネカのワクチンは、下半期にはファイザーやモデルナなどの他のワクチンに主導権を渡すことになる見通しだ。ファイザーのワクチンの追加導入により、18歳未満の青少年や第2四半期の接種から外されている20代などが、第3四半期以降に接種を受ける可能性が高まっている。また、アストラゼネカのワクチンの接種後に「稀な血栓症」が生じる副作用の事例が相対的に多いと疑われる30~50代の女性層に対しても、ファイザーやモデルナなどのワクチンが割り当てられるかどうかも注目される。

 政府によるファイザー製ワクチン2000万人分の追加導入で、上半期には51%に達するアストラゼネカ製ワクチンの接種に占める割合は、上下半期を通してみると11~20%に減ることが25日に判明した。ファイザー製ワクチンの割合は上半期には36%だったが、上下半期を通してみると、34~42%ほどになる。COVAX(コバックス)を通じた物量1000万人分(上下半期通じて全体の10%)のうち874万3000人分が下半期に届くが、アストラゼネカとファイザーの割合は決まっていないため、全体に占める各ワクチンの割合は変動する可能性がある。

 しかし下半期に入れば、ファイザーだけでなく2000万人分のモデルナ製ワクチンの導入が始まるため、mRNA方式のワクチンが接種の半分以上を占めることは確実とみられる。モデルナ製ワクチンは、上下半期を通じて接種の20%を占める。ファイザーと合わせれば接種で54~62%ほどを占める量だ。下半期の物量は今年中に導入されるワクチンの90%近くを占めるが、下半期の主力は「稀な血栓症」物議とは無縁なmRNAワクチンということになる。

 現在、政府は、65歳以上の高齢者については第2四半期以内に1回目の接種を終える計画だ。第3四半期には65歳未満の青年および壮年層が主な接種対象となる。そして、アストラゼネカ製ワクチンによる稀な血栓症の発生を受け、16~17歳の青少年とともに第2四半期の接種対象から外された30歳未満は、ファイザーなどのワクチンを用いた第3四半期の接種対象となるとみられる。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「導入時期によって自然にアストラゼネカは高齢層に、ファイザー、モデルナ、ノババックスは青・壮年層に接種することになるとみられる」と述べた。

 また、第3四半期にファイザー、モデルナ、ノババックスのワクチンが主力として供給されれば、これまでアストラゼネカ製ワクチンが割り当てられていたために接種同意率と予約率が低かった30~50歳の女性の接種意向が回復すると期待される。アストラゼネカやヤンセンファーマのワクチンなどのウイルスベクターワクチンは、「血小板の減少を伴う稀な血栓症」が引き起こされるという副作用が50代未満の女性層に相対的に多く発生する、との報告が欧州主要国からなされている。しかし欧州医薬品庁(EMA)は接種の年齢制限を勧告しておらず、韓国では30歳未満のみを接種対象から外した。米国疾病予防管理センター(CDC)なども23日(現地時間)、すべての年代でヤンセンファーマのワクチンの接種を再開するものの、「50歳未満の女性は血小板の減少を伴う血栓症の危険性が高まるということを認識すべき」との警告文を入れることを決めている。21日現在、若い女性が多い航空機の乗務員は、1万6200人の接種対象者のうち予約を済ませているのは8311人で、予約率は52.3%にとどまっている。

 ファイザーとの追加契約により、第2四半期のアストラゼネカの接種対象者の中で「待機して他のメーカーのワクチンを接種する」という人が増えるのではないかとの懸念も出ており、防疫当局の対応策が求められる。オム教授は「接種率を1%でも高めたい状況なので、政府は接種を説得する努力を続けるべき」とし「接種計画どおり着実に接種者を増やしていけば、接種者の周りで接種を受けようと考える人も増え、接種の速度もはやくなる可能性がある」と述べた。

 一部からは、直ちに第2四半期から高齢層はアストラゼネカ、低年齢層はファイザーというように接種計画を見直すべきだという提案もなされている。高麗大学九老病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は「主に低年齢層からなる特殊学校の従事者と保健教師(4万9000人)、航空乗務員(2万7000人)、保健医療人(38万人)などに対する接種が最近始まったため、これから稀な血栓症の発生報告が増える可能性が高い」とし「そうなって批判が高まってから彼らに対する接種を第3四半期に延期するよりは、大変でも今の計画を変更して説得した方が良い」と語った。

 さらに、アストラゼネカ製ワクチンの接種を終えた人も、変異ウイルスに対応してブースターショット(3回目の接種)を受ける必要があれば、その際はファイザーやモデルナなどのmRNAワクチンを打つことを検討すべきだとの意見も出ている。ドイツとフランスでは今月、アストラゼネカ製で1回目の接種を受けた55~60歳未満の年齢層に対し、2回目はファイザー製ワクチンの接種を受けるよう勧告しており。英国とスペインでは交差接種の臨床試験に入るなど、このところ様々な試みが活発に行われている。翰林大学聖心病院呼吸器内科のチョン・ギソク教授(元疾病管理本部長)は、「3回目はファイザー製ワクチンを接種することも検討する必要がある」と述べた。

キム・ジフン、ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/992530.html韓国語原文入力:2021-04-25 20:11
訳D.K

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