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世界の市民、日本政府に「放射能汚染水の放出やめよ」訴え

登録:2021-04-13 03:56 修正:2021-04-13 07:07
311の環境団体「汚染水放出反対」書簡 
世界の市民6万5000人が署名 
グリーンピースも18万3000人あまりの請願を集める
日本の福島第一原発に設置されている汚染水タンク/聯合ニュース

 日本政府が福島第一原発の汚染水を海洋放出する方針を固めた中、これに反対する世界の市民の声も高まっている。

 環境運動連合、緑色連合、市民放射能監視センターなどの韓国国内の環境団体を含む世界24カ国の311の環境団体は「福島第一原発の汚染水を海洋に放出してはならない」とする書簡を日本の経済産業省に届けたことを12日に明らかにした。同書簡には、世界各国の市民およそ6万5000人が署名している。

 各国の環境団体からなる「福島原発事故10年国際署名実行委員会」が代表して届けた同書簡は、「福島県をはじめとし、(日本の)多くの人たちが(汚染水の海洋放出に)大きく反発しています。海外からも、憂慮・反対の声が多くあがっています。汚染水は、124万トンを超えており、魚介類の摂取を通じた人体への悪影響が懸念されます」とし「日本政府は福島原発の放射能汚染水を海に流すな」と訴えている。

 国際環境団体グリーンピースも同日、日本政府の汚染水放出計画の撤回を求める世界の市民の請願18万3754件を経済産業省に提出した。

 汚染水の放出に関する情報はきちんと公開されていない。エネルギー正義行動のイ・ヨンギョン事務局長は「海水は1カ所に集まっているわけではないので、全世界の海に放出すると考えてよい。汚染水がどれほど汚染されている状態なのか、浄化がどの程度なされているのかなどの情報が公開されていないため、不安がさらに高まっている側面がある」と話した。市民放射能監視センターのチェ・ギョンスクさんは「日本政府は、汚染水を水で希釈して放出するのだから安全だと主張しているが、つじつまの合わない話だ。水で薄めても、放射性物質の総量が変わらなければ、半減期が過ぎるまでは海を漂う」と述べた。

 汚染水を海洋に放出するのではなく、別の代案を探るべきだとの指摘もある。イ・ヨンギョン事務局長は「海洋放出よりは処理費用が高くなるが、汚染水をモルタルで固体化するという方法もある。ほかに方法がないわけではないのに、日本政府は経済的な問題で海洋放出を強行しようとしている」と述べた。チェ・ギョンスクさんは「日本政府はこれ以上汚染水を貯蔵する場所がないと言っているが、タンクを増設すれば済むこと。日本国内でも、今は放出せずに、せめて汚染物質の半減期を過ぎてから捨てろという要求が出ている」と述べた。

 NHKなどの日本のメディアは9日、日本政府が今月13日の関係閣僚会議で福島第一原発の汚染水を海に放出することを決定する方針を固めたと報じた。日本政府は、多核種除去設備(ALPS)と呼ばれる装置を用いて、ほとんどの放射性物質(62種)を基準値以下に浄化した後に放出する計画だと主張している。ただしトリチウム(三重水素)は、水と似た性質を持っているため浄化装置でもろ過が難しく、水で希釈して放出するという。

キム・ミンジェ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/990662.html韓国語原文入力:2021-04-12 16:10
訳D.K

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