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20~30代初当選議員による刷新論…韓国与党「党心・民心論争」点火

登録:2021-04-12 05:58 修正:2021-04-12 08:27
9日、共に民主党の初当選議員らが国会の疎通館で4月7日の補欠選挙の敗北に対する立場文を発表している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 4月7日の補欠選挙での惨敗後、与党共に民主党の20~30代の若い初当選議員が書いた「反省文」を合図に、党内外での論争が激化している。共に民主党の権利党員および与党の岩盤支持層は、9日に「チョ・グク元法相問題」と「チュ・ミエ前法相とユン・ソクヨル前検察総長の対立」の渦中に国民感情を誤認し敗北したという初当選議員らの立場文が出された後、党員掲示板に反論コメントを書いたり、当該議員らに携帯メールを集中的に送りつけるなど、荒々しく反発している。12日、党内の49人にのぼる再選議員も総会を開き、補欠選挙の敗北を診断し今後の対策を論議する予定であるため、「党心(党の理念)・民心(国民感情)論争」は一段と熱くなるものとみられる。共に民主党は来年の大統領選挙を控え、伝統的な支持層を抱えながらも中道層に支持を広げるには、党の理念と国民感情の間隙を最大限埋めなければならない重い課題を抱えることになった。

 9日に「慣行と傲慢に目を閉じず、革新の主体になる」という立場文を出したオ・ヨンファン議員、イ・ソヨン議員、チャン・ギョンテ議員、チャン・チョルミン議員、チョン・ヨンギ議員ら議員5人は、11日に再び「革新の主体に立つための20・30代議員の1番目の努力」という立場文を出し、「非難と議論を予想しつつも反省文を発表した理由は、党内には多様な省察やビジョンの提示が必要であるため」だとしながら、「党内の多様性の拡大のために積極的に活動する」と明らかにした。続いて「党の革新は“分裂”ではなく“党の力を極大化”する方法で行われなければならない」とし、「党内の特定の人物や特定勢力の責任をさらに大きく取り上げ、政治的な利益を得ようとする態度は、党内の分裂を助長する旧態だ。親文(親文在寅(ムン・ジェイン)派)と非文(反文在寅派)に分け責任を問わないで欲しい」と述べた。また、自分たちの立場文について「党と大統領府の対立および親文と非文の亀裂の始まり」だとするマスコミ報道を意識し、「より良いジャーナリズムを夢見る若いジャーナリストとのコミュニケーション」を強化すると述べた。

 彼らは立場文を出した後のわずか1日で数千件の携帯メール集中攻撃と非難のコメントの洗礼を受けたことがわかった。岩盤支持層の圧力と、「内紛」と思われてはならないという心理が複合的に作用し、「親文責任論」に一線を引き、党員の「メディア改革」の要求には弱めに答えたのだ。

 しかし、20~30代の初当選議員の“水位調節”にも関わらず、「国民感情と党の理念の乖離」はさらに大きな論争を予告している。チョ・ウンチョン議員はこの日、フェイスブックを通じて「わが党の中心勢力は、政策に対する世論がどうであれ180議席を与えてくれた民意を奉じ突破しなければならず、人物に対する世間の評価がどうであれ、守り抜かなければならないという使命感に満ちていたのではないか」としながら「中心勢力のこのような態度に対し問題点を指摘するごく少数の与党議員について、わが党の岩盤支持層は強い圧力をかけるのが常だったが、誰も引き止めずにむしろ『党のエネルギー源』というなど、美辞麗句でかばった」と一喝した。

 パク・ヨンジン議員もこの日フェイスブックに「メッセージを送り非難をする党員も支持者もただ望むことは、文在寅政権の成功、党の革新と大統領選の勝利だと思う。そのためにも、共に民主党内部の様々な意見の表出と民主的な意見の収斂は、必須であるエネルギーの凝縮過程」だと指摘した。彼は「政党内部の合理的批判こそ、よりいっそうの敗北と問題を防ぐ防波堤の役割を果たす。今の共に民主党に必要なのは躍動性」だとしながら、今後は再選議員や3選議員、重鎮議員も意見を集約していこうと提案した。

 慶煕大学未来文明院のアン・ビョンジン教授は「共に民主党が大統領選に勝利しようとするならば、中道と青年世代の立場に共感する側に行くしかない。最善を尽くし党の理念を国民感情と一致させるようにする必死の努力をしなければ、どの候補が大統領予備選挙を通過しても、大統領選の本選で敗れざるを得ない」と述べた。 議題と戦略グループ「トモア」のユン・テゴン政治分析室長も「混乱の中では“スピーカー”が大きい側に力が傾くものと決まっている。無力感で議員が口を閉ざせば、再び大統領選敗北の代価を払わざるを得ない」と述べた。

 一方、共に民主党の非常対策委員会は11日、来月2日に開かれる全党大会で、党代表と最高委員を同時に選出することを議決した。指導部の総辞職により空席状態である最高委員を中央委員会で選ぶ方針を変更したのだ。したがって、共に民主党は5月2日の全党大会で選挙の敗北を収拾する指導部を一括選出することになる。

ソ・ヨンジ、ノ・ジウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/990555.html韓国語原文入力:2021-04-12 02:09
訳M.S

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