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「オ・セフン支持ではなく『民主党でなければ誰でもいい』と思って投票した」

登録:2021-04-09 04:27 修正:2021-04-09 09:29
[現場]オ・セフン候補に票を集中「江南3区」の市民たち 
「政府与党は人々が投票所に押し寄せる大義名分を与えた」 
「不動産政策に失望、LH事態まで起きて心変わり」
4・7再補欠選挙の投票日の7日午後、ソウル鍾路区の京畿商業高校に設けられた開票所で、開票立会人たちが投票箱を眺めている/聯合ニュース

 7日に行われたソウル市長補欠選挙では、当選した国民の力のオ・セフン候補に70%前後の票を投じた江南(カンナム)3区(江南、瑞草(ソチョ)、松坡(ソンパ))の民意が際立った。江南3区の住民は「不動産問題」と「政府与党に対する失望」が投票に重要な影響を及ぼしたと口を揃えた。

 8日の中央選挙管理委員会の資料によると、279万8209票(57.5%)を得て当選したオ候補の得票率は、江南区では73.54%、瑞草区では71.02%、松坡区でも63.91%を記録した。大半の自治区でオ候補が得た票は50%台だったのに比べると、目立つ結果だ。

 本紙が接触した江南3区の住民たちは、選択を左右する最重要の要因として、やはり「政府の不動産政策の失敗」をまず挙げた。松坡区に住むKさん(36)は、昨年の総選挙までは民主党を支持していたものの、今回の選挙ではオ候補に投票した。Kさんは「結婚を機にローンを組んでマンションを買ったのだが、保有税が上がり、負担は増えるばかりだと思った。まわりの賃貸住宅に住む友人たちの問題は解決されていない。政府は不動産政策に失敗したと感じた」とし「町内の住民たちは、オ候補が当選すれば松坡区の(パク前市長が実施した)開発制限を解除して供給量を増やすという話が多く出ており、同調する雰囲気だった」と語った。Kさんは、不動産政策に失望していたところに、韓国土地住宅公社(LH)職員による投機疑惑が持ち上がったことが、心変わりの決定的な契機となったと打ち明けた。「月給生活をしていても進むべき道が見えないのに、公共機関の職員たちが便法を使って投機したということで、剥奪感がとても大きかった。捜査するとは言っているが、町内の住民は『信じられない』とよく言っている」

 瑞草区に住む会社員のAさん(47)も「今回の選挙はオ候補を支持して投票したというよりは『民主党でさえなければいい』という気持ちだったと思う」とし「不動産問題が大きな影響を及ぼし、LH事態の影響も大きかったと思う」と指摘した。民主党は先の総選挙で国民の支持を得て過半数の議席を獲得したものの、それまでとは違う姿を見せられなかったため、民意に背を向けられたという意見も多かった。7日に江南区の駅三洞(ヨクサムドン)の投票所で出会ったチャン・ヨンドクさん(64)は「与野党双方に不満はあったものの、与党の『他人は不倫、自分はロマンス(他人には厳しく、自分には甘い)』的姿勢、独断で押し通して妥協しない政治に腹が立った」と話した。保守支持の会社員Bさん(51、瑞草区)は「政府与党は(総選挙後の)この1年間で、口では政論を吐きながら、裏ではうまい汁を吸って偽善的な態度すら示したではないか」とし「大統領が弾劾され、太極旗部隊が光化門で荒唐無稽な話をするのを見て、選挙の話もせず投票もしなかったのだが、今回は江南の人たちも必ず投票所に押しかけるべき大義名分ができたと思う」と語った。

 進歩支持の有権者の中には、投票したい候補がいないため投票所に行かなかったという人も多かった。Gさん(46、瑞草区)は「民主党に大きく失望したということを示したかったが、正義党が候補を出さなかったため、投票したい人物がいなかった」とし「投票しなかったことはほとんどなかったのだが、自発的に投票しなかったのは今回が初めて」と話した。

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/990214.html韓国語原文入力:2021-04-08 16:10
訳D.K

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