北朝鮮の企業が、取引中の韓国企業から物品代金を受け取れなかったとして韓国の裁判所に訴訟を起こしたが、一審で敗訴した。
ソウル中央地裁(民事27単独、キム・チュンス部長判事)は6日、北朝鮮の企業のミョンジ総会社と対南民間経済協力を担当する北朝鮮の民族経済協力連合会(民経連)、これらの代理人であるキム・ハンシン南北経済協力研究所所長が、韓国企業4社を相手どり、各原告に1億ウォン(約980万円)および遅延損害金を払うよう求める物品代金請求訴訟で、原告敗訴の判決を下した。これに先立ち、ミョンジ総会社は2010年2月、韓国企業3社と電気亜鉛の販売契約を結び、このうちA社から代金を受け取ることにした。だが、物品を全量供給したにもかかわらず韓国政府の2010年対北朝鮮制裁措置である「5・24措置」により約474万ドルを受け取れなかったとして訴訟を起こした。
裁判所は、ミョンジ総会社が韓国企業と契約を締結したとは見がたいと判示した。これら韓国と北朝鮮の企業が作成した船荷証券、送り状、口座番号を総合すると、これらの間には直接取引ではなく第3の会社であるB社が挟まっていて、B社が北朝鮮企業から物品を買い取り、韓国企業に転売する形で取引がなされたということだ。裁判所は「ミョンジ総会社が韓国企業らとこの契約を締結したと認めるには不十分で、認めるに足る証拠がない」とみなした。一緒に訴訟を提起した民経連とキム・ハンシン所長に対しては「民経連は対南取引をする北朝鮮企業を管理・監督する上部機関であるだけで、キム所長はこの事件の残りの原告の代理人」であるという趣旨で、両者とも物品代金を請求する権限自体がないと判断した。
一方、この事件は北朝鮮の会社が韓国の会社を相手取って起こした訴訟であり、韓国の裁判所に裁判管轄権があるのかも争点になった。一審裁判所は「大韓民国の領土は朝鮮半島とその附属島嶼とする」と規定した憲法第3条と「紛争事案が大韓民国と実質的関連がある場合、国内(韓国)裁判所が国際裁判管轄権を持つ」と規定した国際私法などを根拠に「大韓民国の裁判所が裁判管轄権を持つ」と判断した。