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「児童体罰を許さない国に」韓国、61番目に認定

登録:2021-01-10 20:43 修正:2021-01-11 07:59
60年ぶりに削除された「子どもへの懲戒権」…韓国は61番目の体罰禁止国家 
「訓育上必要」社会認識度を変えるべき
ゲッティ・イメージバンク//ハンギョレ新聞社

 「ジョンインちゃん事件」で児童虐待に対する国民的公憤が高まった状況で、国会は8日に本会議を開き、親権者による子どもの懲戒権条項を削除した民法改正案を議決した。1958年に民法を制定した時から含まれ、「体罰許容」規定として活用されてきた条項が約60年ぶりに削除されることにより、「子どもの訓育のためには体罰は避けられない」という認識が変わるかも注目される。

 「親権者は子どもを保護・教育するために必要な懲戒ができる」というのが民法の懲戒権条項だ。「保護者は児童に対し身体的苦痛や精神的苦痛を加えてはならない」という児童福祉法(2015年改正)と衝突する条項であったし、対内外的には依然として体罰は可能と認識されもした。毎年、体罰禁止国家名簿を発表する国際人権団体「児童に対する体罰根絶のためのグローバル・イニシアチブ」は昨年3月、「韓国は民法の懲戒権規定が存在するので、体罰が禁止された国家とみなすことはできない」と指摘した。1979年にスウェーデンが初めて児童体罰を禁止して以来、ドイツ・フランス・スペイン・ケニア・チュニジア・ブラジル・パラグアイなどが体罰禁止を法制化した。最も最近では、日本が昨年4月に両親の体罰禁止などを含む改正児童福祉法を施行するなど、昨年7月にこの団体が発表した体罰禁止国家は計60カ国だった。

 懲戒権条項が削除されることにより、児童体罰に対する裁判所の態度も変わると見られる。2002年、韓国最高裁(大法院)は、3歳の娘に野球のバットで威嚇し「殺すぞ」と言った父親の脅迫罪を有罪と判断しながらも、子どもに対する懲戒権は「人格の健全な育成のために必要な範囲内で相当な方法で行使されなければならない」と判示した。「必要な範囲内で相当な方法」では体罰も可能という解釈だった。実際、児童虐待罪で起訴された多くの親たちは懲戒権条項を挙げて正当な訓育だと弁論するケースが多かった。

 法制化とともに、訓育のための体罰は避けられないという社会認識を改めなければならないという指摘も出ている。2018年の韓国保健社会研究院の報告書によれば、父母10人のうち4人は依然として子どもを育てる中で体罰は必要と考えていることが明らかになった。「セイブ・ザ・チルドレン」のマネージャーのコ・ウヒョンさんは「懲戒権の削除を出発点として、政府も法改正を十分に知らせ、児童体罰はもはや許されないという社会的合意が形成されなければならない」と話した。

シン・ミンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/978090.html韓国語原文入力:2021-01-10 16:35
訳J.S

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