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セウォル号惨事の遺族ら、国会前で再び座り込み…真相究明法改正案の成立求める

登録:2020-12-07 06:22 修正:2020-12-08 08:35
社会的惨事真相究明法改正案の成立求め 
「共に民主党は顔色をうかがわず、国民の力は政治的利用するな」 
4・16セウォル号惨事家族協議会が今月6日、国会本庁前で社会的惨事真相究明特別法改正案の国会処理を要求し、4日連続で座り込みを続けている=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 3年ぶりに古い寝袋を取り出した。2014年のセウォル号惨事で息子を亡くした母親のホン・ヨンミさん(51)は、「この寝袋を再び取り出すことになるとは夢にも思わなかった」とため息をついた。ホンさんは2017年11月、社会的惨事特別調査委員会(社惨委)発足のために「社会的惨事の真相究明および安全社会建設などのための特別法(社会的惨事真相究明法)」制定を求め、寝袋をもって国会本館前で座り込みをした。彼女は3年前のその時も寝袋を再び持ち出すとは思わなかった。2015年初め、セウォル号惨事の真相究明のために20日間行進した当時も、彼女は寝袋を持参していた。

 6日、国会本館前で会ったホンさんは「古い寝袋を捨てたいが、6年間捨てられなかった」とし、「セウォル号惨事の真相究明と責任者処罰のために今回の本会議で社会的惨事真相究明法改正案を必ず成立させなければならない。いつかはこの寝袋を捨てたい」と語った。

 ホンさんをはじめとするセウォル号の遺族らは今月3日、国会での座り込みを3年ぶりに再開した。彼らは、調査期間の限界や関連機関の非協力などにより、いまだにセウォル号真相究明が行われていないとして、社惨委の活動延長を求めている。今月10日で活動期間が終了する社惨委の活動期間を延長するため、社会的惨事真相究明法の改正案が必ず成立しなければならないということだ。ホンさんは「なぜセウォル号が沈没したのか、沈没した後になぜ救助されなかったのか、まだ真相究明が行われていない。新型コロナウイルスのため対面調査が難しく、海洋警察など関連機関が調査に非協力的で、資料提出がちゃんとなされなかったためだ」とし、「ようやく少しずつ協力が行われている状況だ。十分な検証のために活動期間の延長が必要だ」と述べた。

 遺族が望んでいるのは、共に民主党のイ・タンヒ議員、パク・ジュミン議員が発議した社会的惨事真相究明法改正案が原案通り成立することだ。今年9月に発議されたイ・タンヒ議員の改正案は、公訴時効に関する特例条項を新設している。加湿器殺菌剤事件とセウォル号惨事関連犯罪に対し、公訴時効を10年に延ばす内容だ。先月発議されたパク・ジュミン議員の改正案は、社惨委の活動期間の延長と権限強化を目指している。社惨委特別調査委員会(特調委)の定員を120人から150人へと拡大し、捜査権限のない特調委が行政安全部や最高裁判所などの関係機関に個人情報に関する資料の提出を要求できるようにする根拠を作った。これまで関係機関が個人情報を理由に資料提出を拒否するケースが多かったためだ。改正案には、特調委の活動期間中はセウォル号惨事に関連する犯罪行為に対する公訴時効を停止するという内容も含まれている。社惨委の活動期間を現行の最大2年から最大4年に延ばす内容も盛り込まれた。両法案とも、関連常任委である政務委員会で審議されている。

 遺族らは法案成立に向け国会が積極的に乗り出すことを求めた。座り込みに参加したセウォル号生存生徒の父親、チャン・ドンウォンさん(50)は「前政権当時、共に民主党は議席が少なく真相究明が難しいと言っていたが、今は過半数以上の議席を確保している。ろうそく集会で新たな政権が誕生してから、多くの国民が(セウォル号の)真相究明が行われたと思っているようだが、実際には明らかになったものはない」とし、「共に民主党は(保守派の)顔色ばかりをうかがわず、真相究明のために改正案通過の先頭に立ってほしい」と述べた。野党に対する批判の声もあがった。ホンさんは「真相調査への協力を約束した国民の力は、再び社惨委の延長に無理があるとして前言を翻した。セウォル号惨事を政治的に利用しないでほしい。政界の超党的決定を求める」と語った。

 セウォル号遺族らとともに座り込みを行っているパク・ジュミン議員は、「一時は前向きな反応を示した国民の力に協力を要請したが、うまくいっていない。党の方針が決まれば票決処理などを通じて9日の本会議にできるだけ改正案を上程する予定」だと述べた。

 この日、共に民主党の30~40代の若手議員らは国会で記者会見を開き、「社会的惨事真相究明法改正案が、遺族たちの要求する原案通り議決されるべきだ」とし、「時間がない。共に民主党指導部は9日の通常国会(本会議)で(改正案を)必ず成立させなければならない」と議決を求めた。イ・ナギョン代表は同日、国会で座り込みをしているセウォル号遺族を訪問し、「まず法案についてはこれ以上交渉を長引かせることはない。(社惨委の調査の)期限が切れて空白ができることはないだろう」と話し、「遺族の方々が受け入れない限り、この問題は終わらない」と法案成立を約束した。

チョン・グァンジュン、チョン・ファンボン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/973005.html韓国語原文入力:2020-12-06 17:38
訳H.J

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