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わずか5日でレベル2へ引き締め…小規模n次感染、第1、2波より危険

登録:2020-11-23 05:05 修正:2020-11-23 09:36
拡散傾向、なぜ深刻なのか 
「今週400人、来月初め600人」 
感染再生産指数が1.6まで上昇 
2週間で集団感染が62件発生 
新たな感染者の半数が防疫網の外
1年生1人が感染判定を受けた光州市光山区のある高校で22日午前、3年生が1、2年生と教職員に先立ってコロナ検査を受けている。感染判定を受けた生徒は、先に感染が確認された光州刑務所職員の子ども。政府は同日、全羅道圏の社会的距離措置を24日からレベル1.5へと引き上げることを決定した=光州/聯合ニュース

 政府が首都圏の社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)レベル1.5の実施からわずか3日でレベル2への引き上げを予告したのは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者の急激な増加傾向が短期間で下火になる気配がないためだ。特に首都圏での拡散傾向が「n次感染」を引き起こし、全国各地へと浸透しつつあるとともに、第1~2波とは異なり、小規模の会食や酒席などの日常的な集まりが続いていることで伝播の連鎖が断ち切られていないことも懸念される。一部からは、「ソーシャル・ディスタンシング」レベル2を超える追加対策を実施すべきとの声も出ている。

 中央災害安全対策本部(中対本)のパク・ヌンフ第1次長は22日、「状況の深刻さ、ソーシャル・ディスタンシングの上方修正に必要な準備時間、あと10日ほど後に迫る修学能力試験(大学入試)を考慮して、一刻も早く感染拡散を抑制する必要性があると判断した」とし、24日から来月7日までソーシャル・ディスタンシングを首都圏はレベル2、湖南(全羅道)圏は1.5へと引き上げることを発表した。光州(クァンジュ)や全羅南道順天(スンチョン)、光陽(クァンヤン)、麗水(ヨス)、木浦(モッポ)、務安郡三郷邑(ムアングン・サムヒャンウプ)などの一部地域では、すでにレベル1.5への引き上げ措置を取っており、全羅北道は23日からの1.5への引き上げが決まっているが、この日の中対本の決定を受け、24日から全羅道の全域でレベル1.5が実施されることとなった。

 今回の拡散傾向が深刻なのは、防疫当局が一部の専門家の予測を引用して慎重に展望値を伝えていた以前とは異なり、異例にも患者増加の展望値に自ら言及しつつ懸念を示したことからも見て取れる。中央防疫対策本部(防対本)のイム・スギョン状況総括団長は前日のブリーフィングで「現在の傾向のままなら、来週の1日当たりの新規感染者数は400人、来月初めには600人以上に達すると推定される」と述べている。

 中対本がこの日発表した最近の防疫管理状況によると、首都圏の1週間の1日平均感染者数は、直近の1週間(15~21日)が175.1人で、その前の週の83人の2倍以上だった。政府は、24日には首都圏の新規感染者の推移がレベル2への引き上げ要件(1週間の1日平均が200人)を満たすと見ている。全羅道地域は、同じ期間に1日平均27.4人の患者が発生し、レベル1.5への引き上げ基準にほぼ達している。濃厚接触が避けられない来月3日の修学能力試験(大学入試一斉試験)の前までに、このような拡散傾向が収まらない可能性も高くなっている。中対本は「昨日(21日)から緊急に実施した協議の過程で、全省庁、地方自治体、生活防疫委員会がすべて引き上げに賛成した」と説明した。

 現在の状況が特に懸念されるのは、2~3月の第1波、8月の第2波とは異なり、感染を主に媒介しているのが各種の小規模な家族、知人の集まりだからだ。親密な関係の人たちが小規模に集まる状況においてはマスク着用が徹底されないため、無症状や軽症の患者を通じた「静かな伝播」が起こりやすい。この日昼12時までに全国11の市・道で76人の感染が確認されたソウル鷺梁津(ノリャンジン)の教員採用試験用予備校と関連する集団感染も、これより前に発生した仁川南洞区(インチョン・ナムドング)の家族・知人の集まりの集団感染に触発されたものだ。これを含め、ここ2週間で発生した集団感染数は62件にのぼる。このため疫学調査や追跡の力量は限界にぶつかっており、防疫網内で管理できている人の割合(新規感染者のうち、自己隔離状態で感染が確認された人の割合)は、先週は46.9%となり、50%を下回った。パク・ヌンフ第1次長はこの日「今回の第3波は、生活の中の様々な感染経路が主な原因であり、先制措置を取るべき中心集団がないため、先の第1波、第2波より危険」とし「流行を予測する基となる感染再生産指数(1人の感染者が感染させる人の数)も急速に上昇し、その前の週の1.1前後から先週は1.6にまで上がっている」と述べた。

 レベル2では、食堂は夜9時以降、カフェは全営業時間を通じて、テイクアウトと配達のみが認められることから、小規模な集まりは一部減るとみられる。しかし、社会的な警戒心が以前とは異なることが問題だ。首都圏に住む30代の会社員は「親しい友人同士で、飲食店や居酒屋が閉まったら家やホテルで年末パーティーをしようと話している」と語った。国立がんセンターのキ・モラン教授(予防医学)は「各種の集まりが続けばレベル2の2週間実施では済まず、年末にはレベル3への引き上げに至る可能性がある」とし「レベル2においても、レベル3における10人以上の集まりや行事の禁止のような、より高いレベルの措置を一部適用することを検討すべき」と話した。

チェ・ハヤン、パク・チュニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/971005.html韓国語原文入力:2020-11-22 20:38
訳D.K

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