20日、新型コロナウイルスの新規感染者数が3日連続で300人台に急増したことを受け、韓国政府が「第3波」の局面に入ったと公式確認した。ソウル銅雀区鷺梁津(ノリャンジン)のある教員採用試験対策塾で試験準備をしていた人たちから感染者が少なくとも38人(同日午後5時現在)以上発生したことが確認され、21日に行われる中等教員採用試験に赤信号が灯った。ユン・テホ中央事故収拾本部(中収本)防疫総括班長は同日午前の定例ブリーフィングで、「首都圏の場合、市中感染が本格化し、大規模な流行に発展する様相が徐々に明らかになっている」とし、「2~3月と8月に続き、第3波が押し寄せているとみている」と述べた。これまで政府と防疫当局は、第3波と判断するのはまだ早いという立場を示してきた。しかし、感染者1人が感染を広げられる人数を示す実効再生産数が最近急速に上昇しており、今回の感染拡大が安定化するよりは引き続き広がる余地が大きい、流行の局面に入ったという判断だ。
政府は「現在の感染拡大傾向を遮断できなければ、2~3月以上の規模で全国的な大流行局面に突入しかねない」(ユン・テホ班長)として、懸念を示した。チョン・セギュン首相は同日、国民向け談話を発表し、「現在の感染拡大の速度は2月の大邱(テグ)・慶尚北道での危機状況に匹敵するほど非常に速い」とし、「必須の活動以外はできるだけ家にとどまってほしい」と活動自粛を呼び掛けた。同日午前0時基準で、国内での新規感染者数は計363人。1日の新規感染者数は313人(18日)→343人(19日)→363人と、連日増加幅が大きくなっている。同日の累積患者数(3万17人)は3万人を超えた。人口が密集している首都圏の拡散傾向に歯止めがかからない中、鷺梁津の教員採用試験対策塾関連の感染者が大量に発生し、防疫当局が緊張している。感染者と同じ建物を訪れた検査対象者だけで600人以上に達する。
政府は、新型コロナ重症患者専門の治療病床を年内に216床まで確保すると発表した。19日現在、直ちに入院できる重症患者用病床は112床だ。韓国政府はまだ、医療システムが対応できる水準だと見ているが、医療界では社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)を強化しなければ、重症患者用病床は1~2週間以内に埋まるものとみている。大韓感染学会など11の専門家団体は同日、声明を発表し、「実効再生産数が1.5を超えており、効果的な措置なしに1~2週間が経過すれば、一日の感染者数は1000人に迫るものと予測される」とし、「ソーシャル・ディスタンシング段階の引き上げを含め、より強力な防疫措置が必要だ」という見解を示した。