18日、韓国全体での新型コロナウイルスの新規感染者数が81日ぶりに300人台に急増した。19日から首都圏など一部の地域で、「ソーシャル・ディスタンシング」レベル1.5が実施される中、全国各地で起きている市中感染の流行を抑制できなければ第3波へと広がりうるという懸念が出ている。
中央防疫対策本部(防対本)は、同日0時現在で新規感染者が313人確認されたと明らかにした。国内の市中感染の発生が245人、国外からの流入は68人。1日の新規感染者数が300人台に上がったのは、8月29日(323人)以来初めて。中央災害安全対策本部(中対本)のカン・ドテ総括調整官はこの日の中対本会議で「全国的な大規模再拡散が現実化するという悲観的な展望もある危機的状況」とし、「今や誰もがいつでもどこでも感染しうる感染リスクの日常化の局面に入った」と述べた。何よりも人口が密集している首都圏の患者の増加速度がはやい。先週初めまでは首都圏の1日の新規感染者数は80人台だったが、この日は181人に急増した。この1週間(12~18日)、首都圏で発生した1日平均感染者数は126.6人に達する。
新型コロナ患者の増加スピードが早まり、新天地イエス教を中心とした第1波と、サラン第一教会から触発された第2波に続き、第3波が始まったのではないかという懸念が高まっている。ただし政府は「厳しい局面」と見ているとしながらも「第3波」と規定するには早いと明らかにした。カン・ドテ総括調整官は「レベル1.5への引き上げの目的は、本格化した地域社会での流行を迅速に遮断し、患者増加の推移を反転させること」だとし「特に日常と生業に大きな被害を及ぼすレベル2へは引き上げずに、状況を安定させることが何より重要だ」と強調した。ソウル・京畿道・光州(クァンジュ)などは19日から、仁川は23日から大衆利用施設の利用人数が制限されるなど、ソーシャル・ディスタンシング・レベル1.5が施行される。
中対本は、新規感染者数が1日300人ずつ発生した場合、約2週間過ぎれば重症患者用として確保しておいた全国のベッドが一杯になるだろうとの見込みを示した。17日現在、直ちに入院可能な重症患者病床は全国で119床残っているが、感染者の3%程度が重症患者となり、平均25日入院することを前提にした見通しだ。現在、全羅南道と江原道は、ただちに使える病床がそれぞれ1つと2つだけだ。中央事故収拾本部のイ・チャンジュン患者病床管理班長は「まだ大きな問題はないが、50人台で維持されていた重症患者数が昨日と今日で増加傾向にあるため、重症患者専門の病床をさらに確保することを検討中」だと明らかにした。
一方、中対本は19日から新型コロナとインフルエンザウイルスを同時に診断する検査にも健康保険が適用されると明らかにした。一度の検査で二つの疾患を同時に診断できるもので、健康保険が適用されれば、本人負担金はかからない見通しだ。