日本産の日本酒・ビールと、マンゴスチンなど東南アジアのトロピカルフルーツに課される関税が10~20年間で段階的に撤廃され、価格が下がる見通しだ。韓国の焼酎・マッコリ、リンゴ・梨など主要品目も日本や東南アジア諸国に輸出する際に関税が下がり、輸出増加が期待できることになった。
文在寅(ムン・ジェイン)大統領が15日に署名した東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の農畜産物分野の主な内容を見ると、韓国はまだ自由貿易協定を締結していない日本と、RCEPにより互いに農畜産物の開放に合意した。韓国は750の輸入品目の関税を段階的に撤廃することにした。日本産の輸入品目のうち、日本酒(関税率15%)は15年間、ビール(関税率15%)は20年間で段階的に関税が撤廃される。日本酒は毎年1%ずつ下がり、15年後は関税0%になる。
逆に、韓国の輸出品目である焼酎(関税率16%)とマッコリ(関税率1リットル当たり42.4円)は20年間で関税が段階的に撤廃される。日本は韓国産の930品目を開放することにした。
韓国は現在、自由貿易協定(FTA)を結んでいる東南アジア諸国連合(ASEAN)、中国、オーストラリアとも農畜産物を追加で開放した。
ASEANから輸入する136の農畜産物に課される関税が撤廃される。チェダーチーズ、キウイ、菜種油、チョコレート、その他の調剤食料品は、協定発効と同時に関税がなくなる。
マンゴスチン、ドリアン、パパイヤ、グアバ、レモン、チェリー、ナツメ椰子などの果物や、カシューナッツ、モッツァレラチーズなど54品目は10年間で段階的に撤廃する。
クランベリー、麺類、高麗人参飲料、ビール、ガチョウ肉など62品目は15年間、ジャム、鹿茸、インゲンマメなど10品目は20年間で関税を段階的に撤廃する。
中国から輸入するデキストリン(でんぷん種)は関税を直ちに撤廃し、鹿茸は20年間で段階的に関税を撤廃する。オーストラリアから輸入するソーセージのケーシング(皮)も20年間で段階的に関税を撤廃する。
敏感品目であるコメ、唐辛子、ニンニク、タマネギ、リンゴなどと、輸入額の多いバナナ、パイナップルなど敏感品目は今回の関税撤廃対象から除外した。
これに対し、韓国がASEAN、中国、オーストラリアに輸出するリンゴ、ナシ、イチゴなど農産物と牛肉・豚肉など畜産物は品目別に最大20年間で段階的に関税が撤廃される。政府は韓国農家の被害を減らすため、今回の協定で追加開放を最小化したと説明した。農林畜産食品部のイ・サンマン国際協力局長は「韓国が外国から輸入する農産物は年間340億ドル規模で、このうちRCEP加盟国の輸入金額が130億ドル」だとし「今回の協定で追加で開放する品目の輸入額は3億ドルであるため、全体輸入額の1%水準なので、被害額は少ないと予想する」と述べた。
韓国、日本、中国、オーストラリア、ニュージーランドの5カ国とASEAN10カ国の計15カ国が署名した今回の協定は、各国で批准を通じて発効する。イ・サンマン局長は「政府は協定発効による影響評価を推進し、結果によって被害産業分野の補完対策を設ける計画」だと述べた。