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インフルエンザ予防接種後9人死亡…韓国疾病庁「因果関係確認できない」

登録:2020-10-22 01:57 修正:2020-10-22 07:28
「中止する状況ではない」
インフルエンザワクチン接種後の死亡事例について保健当局は、ワクチン接種と死亡との因果関係ははっきりしないという立場。国民の不安が急速に高まっている中、21日午後、ソウル江西区の韓国健康管理協会ソウル西部支部は以前より閑散としている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 疾病管理庁(疾病庁)の21日の発表によると、同日午後2時現在で、インフルエンザワクチンの接種後に死亡した事例が9件報告されている。しかし疾病庁は、予防接種を中止するような状況ではないと判断している。この日午前までに報告された6件について、感染・免疫疾患の専門家らが出席した「予防接種被害調査班」の会議では、予防接種後の異常反応と死亡との間に直接的な因果関係が確認されなかったためだ。

 疾病庁のチョン・ウンギョン長官はこの日午後、緊急ブリーフィングを開き「現在までに死亡事例が9件報告されており、うち7件に対して疫学調査や解剖などが進められている」とし「死亡者と同じ日に同じ医療機関で同一の製造番号のワクチンの接種を受けた人を対象として、異常反応発生の有無を監視している」と明かした。この日公開された9件は、接種から2時間30分~85時間後に死亡したケースで、接種地域(ソウル、京畿、大邱(テグ)、大田(テジョン)、済州など)や、ワクチンメーカー(緑十字、保寧、LG化学、SK、韓国ワクチン)などは様々だ。8人は無料接種、1人は有料接種だった。

 2009~2019年の間に、インフルエンザワクチンの予防接種後に死亡したと報告されたケースは25件だ。このうち因果関係が認められたのは、接種後に「フィッシャー症候群」(両足の筋力の低下)との診断を受け、翌年に死亡した2009年の1件のみで、被害に対する補償が行われている。2009年の8件、2014年の5件を除くと、毎年0~3件にすぎなかった死亡の疑われる事例の報告は、今年すでに9件にのぼる。常温ばく露事故や白い粒子の発見などでワクチンに対する懸念が高まっているため、報告も増えたと疾病庁は見ている。

 チョン長官は「ワクチン製品や医療機関、基礎疾患の内容がすべて異なるため、構造的な欠陥による予防接種の異常反応のケースではないと判断される」とし「高齢者、基礎疾患者、子どもは高危険群なので、予防接種を必ず受けなければならない」と強調した。すでにインフルエンザの予防接種を受けた人の人数は、同日現在で無料接種836万人を含む1297万人となった。

ファン・イェラン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/966716.html韓国語原文入力:2020-10-21 22:33
訳D.K

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