韓国初の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)再感染が疑われる事例に関連して、防疫当局が「現在のところ、遺伝的な変異そのものがCOVID-19ワクチンや治療薬の開発に影響を与えているわけではない」と明らかにした。
中央防疫対策本部(防対本)のクォン・ジュヌク副本部長は22日の定例ブリーフィングで「治療薬、ワクチン、マスクなどの手段は、コロナウイルスが通過するのを防いだり遮断したりするソーシャル・ディスタンシングの一部分であり、重要な役割を果たす」としつつ、このように述べた。防対本はこの日、世界の再感染例を香港、米国、ベルギー、エクアドルでそれぞれ1件、インドで2件の計6件と明らかにした。クォン副本部長は「若い年齢層でありながらも免疫反応がきちんと形成されていないということが共通点」とし「欧州疾病管理庁では、COVID-19の全感染者を100とすると、再感染例は約0.04%程度で『非常にまれ』とみている」と説明した。
22日0時現在、過去24時間に確認されたCOVID-19の新規感染者は61人で、3日連続で2桁台を記録し、減少傾向にある。新規感染者のうち国内での発生は51人で、2日連続で50人台前半を維持している。クォン副本部長は「再流行の入り口において、完璧な社会封鎖ではない段階的社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)と、自発的な(国民の)参加によってCOVID-19の流行を抑制する例は他の国では見られない」と強調した。中央事故収拾本部のユン・テホ防疫総括班長は「首都圏のソーシャル・ディスタンシング強化が効果を発揮していると判断する」としながらも「先週の日曜日~本日までの0時現在のCOVID-19感染者数は、週末効果が反映されている可能性が高く、来る水曜日~金曜日の推移を見守る必要がある」と指摘した。
一方、COVID-19とインフルエンザが同時に流行する「ツインデミック」に対する懸念について、ユン班長は「インフルエンザは治療薬が十分に備蓄されており、量も多いため統制できるが、COVID-19はワクチンと治療薬がない」とし「COVID-19にうまく対応すれば、インフルエンザも自然に治まるのではないかと思う」と述べた。
政府は、COVID-19の再流行に備えるため、COVID-19重症患者治療体系の整備方策などを来月中に発表し、案内する予定だ。