韓国の保守系マスコミが韓米同盟が損なわれた証拠として挙げる主な“外交懸案”について、日本も大体似たような態度を取っていることが分かった。盲目的な対米追従よりは国益を優先する“原則に基づいた外交交”で、意見の相違がある部分では、米国を粘り強く説得しなければならないものとみられる。
日本の茂木敏充外相は6日に行われた日米外相会談で、マイク・ポンペオ米国務長官が掲げた「クリーンネットワーク」への参加要求に対し、「特定の国を排除する枠組みには参加できない」という意向を伝えたという。ポンペオ国務長官は8月5日、記者会見を自ら要望し、「市民の個人情報と企業の最も敏感な情報を中国共産党のような悪意のある行為者の攻撃から守ろう」という名分を挙げ、通信ネットワークや携帯アプリ、クラウドサービス、アプリストア、海底ケーブルなどの主要通信事業から中国企業を追い出すべきだと主張した。しかし、米国がインド太平洋地域の「礎石」(cornerstone)であり、第1同盟に挙げる日本でさえ中日関係の重要性などを考慮し、米国の参加要請を断ったのだ。茂木外相は「米国が計画を(もう少し穏健な形に)修正するなら(参加を)再検討する」方針を伝えたという。
日本がこのような判断を下した理由は、「米中対立が激化する中、全面的な“米国追従”では日本の国益を守れないと判断」(読売新聞>10月16日付2面)したためだ。日本も韓国のように「経済と安全保障問題が結びついた課題では同盟国である米国との協力が不可欠」と考えるが、「3万社を超える日本企業が事業を展開しており、多くの観光客が訪れる中国との経済関係を完全に遮断する場合、日本経済に対する打撃は計り知れない」と見ているのだ。
長期化している「在日米軍駐留経費」(思いやり予算)についても、日本の立場は韓国と大きく変わらない。韓国はトランプ政権の過度な引き上げ要求に対抗し、交渉を続けているが、今年2月末に始まった新型コロナ危機のため、意味のある直接交渉ができずにいる。
日本外務省は新型コロナ危機を受け、米国と有意義な直接交渉ができない中、15~16日の2日間、2021年から5年間適用される思いやり予算に関するテレビ会議を行った。外務省は会談後、「今後事務的調整を続けることで合意した」と明らかにしたが、日本のマスコミは米国が望む引き上げは不可能だと主張している。実際、ジョン・ボルトン前大統領補佐官(国家安全保障担当)は昨年7月に日本を訪れ、現在の負担額の4倍を上回る80億ドルを求めた。日本経済新聞は17日付で、「日本側の負担額は他国に比べても非常に高い。協議を通じて増額の余地が乏しいと主張していく」という政府内の雰囲気を報じた。
文在寅(ムン・ジェイン)政権が「参加に消極的な立場を示している」として、保守系マスコミが非難している米国や日本、オーストラリア、インドの4カ国の集まりである「クワッド」(Quad)への参加に対する日本の態度も微妙である。日本は民主主義と法の支配などの原則をインド太平洋地域に広げるための協力体の発足には賛成するものの、米国が主張するように「対中包囲」のための集団安保体制を作ることには慎重な立場を保っている。実際、菅義偉首相は先月12日、自民党総裁選挙過程で「アジア版NATOを作れば、アジアで敵味方を作ってしまう恐れがある。米中が対立する中、どうしても反中包囲網にならざるを得ない。日本外交の目指す戦略的外交のあり方や国益に資するとの観点から正しくない」と述べた。米国はまだ、韓国には「クアッドプラス」に参加するよう要請していない。
日本の曖昧な立場は、6日に東京で開かれたクアッド外相会議の発言にも表れている。茂木外相は「様々な分野で既存の国際秩序が挑戦を受けている。我々4カ国は自由で開かれた国際秩序を強化していくという目的を共有している」とし、中国については直接言及しなかった。これに比べ、ポンペオ長官は「(新型コロナによる)パンデミックは中国共産党が事態を隠蔽し事態を拡大した」としたうえで、「我々4カ国が連帯して国民を中国共産党の腐敗や搾取、抑圧から守らなければならない重要性が高まっている」などといった対中強硬発言で、他の国々と明らかに異なる態度を示した。