ファーウェイの設備などの使用中断を要求
反中国経済ネットワークのEPNへの言及はなし
米国が華為（ファーウェイ）などの中国の情報技術（IT）と企業を退出させようとする「クリーンネットワーク」への韓国の参加を繰り返し要求した。政府は「検討する時間が必要だ」とし、今回も即答を避けたが、反中国戦線を広げている米国の参加圧迫はより一層強まるものとみられる。
外交部のイ・テホ第2次官と米国務省のキース・クラック経済次官が率いる第5次韓米高官級経済協議体が14日午前、テレビ会議で開かれた。外交部は両国の代表団が2時間40分にわたり新型コロナウイルス感染症（COVID-19）後の経済パートナーシップを始め、科学技術、エネルギー分野および韓国の新南方政策と米国のインド太平洋戦略の連携協力案など、様々なテーマで協議を進めたと明らかにした。
その中でも熱を帯びた話題は、米国の「クリーンネットワーク」（Clean Network）への参加要求だったとみられる。外交部当局者は「5Gクリーンネットワークに対する米国側の従来の立場を提起し、私たちも韓国の基本的な立場を語った」とし、「具体的に韓国が何を排除するとか、（米国が韓国に）何を排除せよという協議は行われなかった」と明らかにした。米国のファーウェイ制裁に対する言及もあったが、具体的な協議は行われなかったということだ。
クリーンネットワーク構想は8月に米国のマイク・ポンペオ国務長官が発表したもので、5G通信ネットワーおよびモバイルアプリケーション（アプリ）とアプリストア、クラウドなどから中国企業の製品を排除するという米国の政策だ。ポンペオ長官は当時、この構想について「米国市民の個人情報と企業の最も敏感な情報を、中国共産党のような悪意の行為者の攻撃的な浸透から保護するためのトランプ政権の包括的なアプローチ」だと定義した。核となるのは、ファーウェイや中興通訊（ZTE）を始めとする「中国共産党の指示に従わなければならない信頼できない販売者」の製品を市場から退出させるということであり、米国は同盟国だけではなく世界的に参加を促している。
米国務省はさらに、ホームページにファーウェイの設備を使わないことにした国家の名簿を掲載し、日本のNTT、フランスのOrange、韓国のSKとKTなど、世界で最も大きな通信会社も「きれいな通信業者」として背を向けていると記述している。国内の通信会社の中でLGプラスは今でもファーウェイの設備を使っており、米国は継続的に使用中断を促してきた。しかし韓国政府は「民間の領域」だとし、介入は難しいという立場を固守してきた。
外交部当局者はこの日の会議でも「韓国の移動通信事業者が特定の業者の製品を使うのか否かの問題に対しては、関係法令上、民間企業が決める事項だと伝えた」とし、「韓国の移動通信市場で使われる5Gのセキュリティ上の懸念に対しては、米国側と緊密に協議していき、米側の懸念を聞き、技術的な事項について協議することにした」と述べた。
外交部はこの日、双方が5Gクリーンネットワークを巡り「双方の立場を伝達、再考した」と説明したが、会議場の内外で「クリーンネットワーク」への参加を要求する米国の圧迫は激しかったと伝えられた。これに対し韓国側は「検討が必要な事項」であるので「（決めるのに）時間がもう少し必要だ」「関連機関や省庁との協議が必要だ」という立場を明らかにしたという。5G通信網を巡り米中間で最も実質的で激しい対立点が形成されている状況のため、慎重を期する様子だ。
この日の会議で、米国がいわゆる対中国経済包囲網として推進したという「経済繁栄ネットワーク」（EPN）に関する協議はなかった。これに先立ち米国が6月の局長級会議でこの政策に言及し、今回の会議でも議論するかどうかに関心が集まった。米国が政策的な構想を具体化していない状態で推進を中断したことが知られているが、外交部は公式には確認しなかった。
この他にも、会議ではCOVID-19の流行にともなう防疫物品の確保の困難さにより脆弱性が明らかになったグローバル・サプライチェーンを補完する問題も議論されたと外交部は明らかにした。
訳M.S
