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先輩医師ら、医療ストを後押し…資金支援、フェイクニュース流布も

登録:2020-09-02 06:17 修正:2020-09-02 08:00
医師総連合など3300以上の口座から 
大専協の闘争基金名目で20億ウォン台集まる 
医師のチャットルームで組織的な「検索ワードランキング操作」 
「公共医大ゲート」などフェイクニュースの流布も
1日午前、ソウル永登浦区のソウル特別市医師会で開かれた若手医師非常対策委員会の発足式で、委員長を引き受けた大韓専攻医協議会のパク・ジヒョン非常対策委員長が記者らの質問に答えている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 専門医らの集団休診を支援するため、大韓専攻医協議会(大専協)を中心に医師らが数十億ウォン台の闘争資金を募金し、組織的にフェイクニュースを流布している。

 1日、ハンギョレが入手した「大専協非常対策委員会後援内訳」によるとと、先月15日現在、3300以上の口座から大専協に闘争基金の名目で後援金が振り込まれていた。大韓皮膚科医師会や全国医師総連合など5団体が1千万ウォン(約90万円)以上の後援を行っており、江南区(カンナムグ)医師会や釜山市(プサンシ)医師会など10団体も500万ウォン(約45万円)以上を送った。そのほか、個人病院などから集まった後援金を推算すると、10億ウォン(約9千万円)を上回るものと見られる。ある医療界の関係者は「先月20日ごろ、大専協闘争基金として20億ウォン(約1億8千万円)近く集まったと聞いた」と伝えた。大専協は先月15日までの後援金の内訳を整理し、翌日ホームページに公開したが、今は掲示文が削除された状態だ。大専協の積極的な闘争資金募金は同日も続いた。医師間でシェアされているパク・ジヒョン非常対策委員長の名義で作成された案内文には「大韓民国の医療が正しい方向に進むのに貢献するため、全国の1万6千人の専攻医たちは団体行動を決議しました。勇気づけと応援をよろしくお願いします」というメッセージとともに口座番号が掲載されていた。

 現役の医師らは、このように数十億ウォンにのぼる闘争資金を集め、専攻医らの集団行動を支援すると同時に、組織的にフェイクニュースを流し、世論戦を繰り広げている。大韓医師協会(医協)が主導した開業医集団休診への参加率は10%前後に止まったが、水面下では医師らが積極的に動いている。

 3千人以上の現役医師が集まったあるグループチャットルームでは、毎日キーワードを決め、午後2時ごろ、リアルタイム検索ワード1位に押し上げるための「リアルタイム検索ワードチャレンジ」を行っている。30日午後2時ごろ、ネイバーのリアルタイム検索ワードランキング第1位は「公共医大ゲート」だったが、医師のチャットルームでは関連内容を29日から告知されていた。公共医科大学を卒業すれば、ソウル大学病院の教授として優先的に採用するなどのフェイクニュースだ。

 保健福祉部は「フェイクニュースで混乱を深める行為については厳正に対応する」という方針を明らかにしたが、医師らは気にもとめず、インターネット世論戦を続けている。「アプリで検索すればリアルタイムの検索ワードランキングに入らないため、ブラウザを使うべきだ」など、具体的な指針も下した。実際にこれらのチャットルームで話し合った「公共医大ゲート」は、30日午後2時の現場調査で検索ワードランキングで1位となり、31日午後2時にも彼らが生産・流布した検索ワード(「北朝鮮に医療人派遣」)がランキング1位を記録した。北朝鮮に災害が発生した場合、医療スタッフを緊急支援できるようにした与党議員の法案を皮肉った検索ワードだ。

 人道主義実践医師協議会のチョン・ヒョンジュン公共医療委員長は「先輩医師たちが専門家集団として代案を示したり、医協レベルで政府と交渉を試みようとせず、フェイクニュースを広げ、『最後まで闘うように』資金を支援している現実が嘆かわしい」と述べた。

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/960328.html韓国語原文入力:2020-09-02 04:59
訳H.J

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