本文に移動

全国17の市・道に再び拡散…防対本「週末は家にとどまって」

登録:2020-08-22 09:49 修正:2020-08-22 11:19

地下鉄駅長、警察など無差別に感染 
裁判官、清掃労働者、大企業の社員など 
場所と時を選ばず伝染続出 
同窓会など、休暇シーズンの伝播相次ぐ 
学校も非常事態…849校が閉鎖で「過去最多」 
 
感染経路不明患者、2週間で353人 
「サラン第一教会」発、19カ所でさらに伝播 
疫学調査中なのに168カ所にのぼり 
チョン・ウンギョン防対本本部長 
「どこも安全ではない…週末に抑制できなければレベル3検討」

済州道は21日、27人目の新型コロナ感染者の母親のAさんが28人目の感染者に確定したと発表した。21日午前、Aさんの勤務地である済州道西帰浦市のゴルフ練習場が臨時閉鎖され、保健当局の関係者が消毒を行っている/聯合ニュース

 「全国どこでも、どの空間でも、誰でも新型コロナにさらされる危険な状況です」

 中央防疫対策本部(防対本)のチョン・ウンギョン本部長は21日、定例ブリーフィングで「これまで防疫当局が疫学調査、検査、隔離措置で流行を統制してきたが、現在の流行規模と拡散速度は防疫措置だけでは抑制するのに限界がある」とし、人との接触を減らさなければならないと訴えた。この日も現職判事や警察、大手企業の社員など、予期せぬところで感染事例が相次いだ。拡散を主導している教会だけでなく、レストランやカフェ、休養地など日常生活と密接にかかわる空間も安心できない状況だ。防疫当局は今週末の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡散の勢いを見ながら、現在進めている「ソーシャル・ディスタンシング」レベル2の効果が現れなければ、レベル3への引き上げを検討する方針だ。

■感染経路不明患者の割合は16.4%に急増

 この日0時現在のCOVID-19感染者は、前日より324人増えた。一日の新規確定感染者が300人台を記録したのは、新天地イエス教会に端を発する集団感染が猛威を振るった今年3月以降初めて。特にこの日、すべての市・道で感染者が出たことから、全国的な大流行が目前に迫った。首都圏以外に忠清南道で11人の感染者が発生し、江原道9人、釜山(プサン)8人、大田(テジョン)・慶尚北道・全羅南道でも6人が確認された。非首都圏だけで新規感染者が71人も出て、首都圏を中心に拡散した今回の流行初期とも違う様相を見せる。

 この日午後12時現在、主な集団感染の発生場所である「サラン第一教会」関連の感染者は732人に増えた。特に、サラン第一教会発の感染は19カ所でさらに伝播が発生した。防疫当局が疫学調査を行っている場所だけでも168カ所にのぼる。また、光化門集会関連の感染者(累計71人)が全国12の市・道に広がっており、各地域に感染が広がる恐れがある。ここ2週間(8~21日)の感染者2151人のうち、感染経路が分からない患者が全体の16.4%(353人)に達したのも、全国的な大流行を警告する「赤信号」だ。チョン本部長は「サラン第一教会など首都圏の集団発生が8・15光化門集会、夏季休暇を媒介として全国に拡大している厳しい状況」だとし「これまで発見できていなかった地域社会の感染源が無症状・軽症状態で伝播を続けており、個別のもう一つの流行の様相が現れている」と述べた。

■現職判事、大企業の研究員から同窓会の旅行まで

 感染確定者の増加の曲線が著しく上がり、あちこちで無差別な感染が続出している。全羅北道地域ではこの日、全州(チョンジュ)地裁の部長判事が現職判事として初めてCOVID-19に感染した。同判事は15~17日の連休中にソウル、京畿、大田などを訪問していたことが確認された。警察庁本庁ビルの1~3階に勤務する情報通信融合系所属の警察官1人も陽性判定を受けた。ソウル地下鉄2号線のソウル大入口駅では、駅長と清掃労働者にCOVID-19感染が明らかになった。彼らと一緒に勤務していたソウル大入口駅の職員や社会服務要員など23人が検査対象者に分類され、自家隔離中だ。

 サムスン電子とLG電子の首都圏事業所でも感染者が相次いでいる。この日、サムスン電子器興(キフン)キャンパスのLED技術棟と、LG電子瑞草(ソチョ)R&Dキャンパスで感染者が1人ずつ出た。これに先立って20日にも、LG電子加山(カサン)R&Dキャンパスで感染者が出ている。夏休みシーズンと重なり、さまざまな旅行先を中心とした伝播にも防疫当局が注視している。今月18日には、江原道束草(ソクチョ)での同窓会旅行関連の感染者が発生しているが、その後、接触者の調査を通じてさらに16人の感染が確認された。彼らは今月8~9日に束草を旅行し、居住地はソウルや京畿道、仁川(インチョン)などだ。休暇と夏休みを起点として流行が広がる恐れがあるというのが防疫当局の懸念だ。

 教育現場も非常事態になっている。同日現在、登校中止になった学校は、全国7市・道で849校に達した。教育部が登校授業の開始と共に集計を始めて以来、最も多くの学校が閉校している。今月11日から20日まで教育部が集計した生徒感染者だけですでに136人にのぼる。

 防疫当局は、今週末の外出を自粛するよう要請した。チョン・ウンギョン本部長は「レベル2のソーシャル・ディスタンシングが履行されず、持続的に拡散傾向が維持されるなら、レベル3への引き上げも検討しなければならない」とし、「週末が最大のヤマ場となるなだけに、外出・集まり・行事・旅行などを延期するか取り消し、家にいてほしい」と強調した。

チェ・ウォンヒョン、キム・ヤンジン、チェ・イェリン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/958858.html韓国語原文入力:2020-08-22 02:34
訳C.M