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「なんとか耐えてきたのに…」教会から発したコロナ再拡散に怒りと虚脱感

登録:2020-08-19 09:30 修正:2020-08-19 15:59
防疫指針に従って家に閉じこもっていたのに、また… 
「腹が立って仕方がない」 
疲れもたまっている医療スタッフ「また振り出しに…」 
自営業者・非正規職は収入が断たれる寸前 
保護者ら、非対面授業の延長にじりじり
今月18日午前、ソウル城北区保健所に設けられた「新型コロナ臨時選別診療所」の前で子どもが母親と一緒に並んでいる。この日城北区のある家庭保育園の園長が感染判定を受け、登園した子どもたちが検査を受けることになった=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 18日、ハンギョレがオンライン・コミュニティなどを調べたところ、多くの市民が怒りと挫折感、虚脱感を表していた。あるサッカーのコミュニティには「公演観覧もキャンセルし、ほとんど家にいてホームトレーニングをして過ごした。仕事も新型コロナの直撃を受けた職種なので、6カ月間まともに出勤もできずにいたのに、虚しい」という書き込みが上がっていた。ある財テク関連のオンラインカフェには「腹が立って仕方ない。(サラン第一教会の礼拝と集会の参加者たちは) 頼むから検査くらいは早く受けてほしい。なぜ検査を受けずに隠れているのかわからない」とし、「マスクをして出歩くのがそんなに難しいのか?他の人は苦しくないとでも思うのか? 症状があるなら家で様子をみて検査を受けるのが難しいのか?大人なんだから、大人らしく行動しましょうよ」と怒りをあらわにした。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)防疫の最前線にいた医療スタッフは、一息つく間もなく再び訪れた「コロナ戦闘」に明らかに疲れた様子だった。ソウルのある総合病院の専攻医であるLさん(32)は、「2~3週間に1回はレベルDの保護装具を着けて検体を採取し、問診をした。数カ月にわたって暑さと闘いながら働いてきたが、そろそろ選別診療所に来る人は減るのではという期待が大きかった」とし、「また感染者が増えたので振り出しに戻った気持ち。医療スタッフも心的・体力的に疲れている状況で、士気がかなり下がっている」と話した。

 すでに経済的打撃を受けている自営業者らは、再び訪れた再拡散の勢いに挫折している。ソウルのネイルショップを経営するNさん(46)は「夏は繁盛記でなければならないのに、客足が少し戻ったと思ったら、先週末の光化門(クァンファムン)集会後に途絶えた。1日に2~3人程度。もう閉業かとも思ったが、『きっとよくなるだろう』という期待で耐えてきた。でも一向によくなる気配がない」と話した。

 非正規労働者らは、COVID-19の再拡散で職を失うかも知れないという恐怖に包まれている。教育関連業者の非正規職員であるイ・セジュンさん(31)は、「非対面講義、塾講義の縮小で会社の売り上げに大きな打撃を受けた。社員に対する売り上げへの圧力も強まって、最近は別の部署の非正規職員はいっぺんに契約解除された」と言い、「自分は幸い契約解除はされなかったが、仕事があるときだけ不定期で出勤して、時給で給料を受け取ることになった。(再拡散で)自分も仕事を維持できるのか心配で不安だ」と語った。ピラティス講師のYさん(40)は「光化門集会以降、受講者が減った。個人的には感染の恐れもあるし、授業に出ているスポーツジムが閉鎖されれば収入が途絶えそうで心配」と話した。

首都圏の教会をはじめ全国各地で新型コロナが拡散し、今月18日午後、チョン・セギュン首相が政府ソウル庁舎で非公開で開かれた緊急中央災害安全対策本部会議に向かっているる/聯合ニュース

 公演収益の比重が大きいインディーズのミュージシャンたちは、長期間公演を開くことができず、憂うつさをあらわにした。シンガーソングライターのオ・ジウンさんは15日、ツイッターに「『憂うつだ、ぐったり』なんてレベルじゃなく、本当にこの仕事をやめなきゃならないかもと思うほど暗たんとしている。多くのミュージシャンが同じだろう」と書き込んだ。アコースティックデュオ「ララスイート」のメンバーのパク・ビョルさんは「これからどうやって食べていくのか…」「もうそろそろ公演ができるだろうと思って、調べ回っていたところだった。(ソーシャル・ディスタンシングの段階を)レベル2に引き上げることも知らずに。はあ…本当につらい」と言った。

 あるインディーズの音楽企画会社の関係者は「アーティストたちはみな『収益がなくても公演をしたい』と言うほど、公演に対する強い熱望がある。インディーズ音楽は公演収益の占める割合が大きいので、みんな大変な状況だ。年末公演も状況を見守らなければ。腹が立つほどだ」と打ち明けた。

 2学期の始業式を控え、学校が非対面授業をせざるを得ない状況になり、保護者たちももどかしがっている。京畿道金浦市(キンポシ)の中学生の保護者であるLさん(45)は「きょう(18日)始業式があったが、偶数と奇数の番号に分けて週替わりで登校する。登校しない週はオンライン授業を聞く。うちは夫婦共働きなので、また全面的にオンライン授業になるのではないか配だ」とし、「子どももオンライン授業に集中できず焦れったそうだ。もう学校に行きたいと言っている」と懸念を示した。

 慶煕大学病院精神健康医学科のペク・ジョンウ教授は「感染災害の時期には集団と個人の責任ある行動が重要だ。多くの人々が困難に耐え経済的損害を被ってまで防疫に参加しているのに、一部の宗教団体が防疫規則を守らなかったのは、市民の怒りを買うのが当然だ」とし、「しかしこれが嫌悪につながれば、感染した人々が隠れてしまうことになり、皆が危険になる結果を招く恐れがある」と述べた。

チェ・ユンテ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/958270.html韓国語原文入力:2020-08-19 02:31
訳C.M

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