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「新型コロナ感染で“差別”経験したキリスト教徒の母、いまでは差別禁止法を支持」

登録:2020-08-18 10:09 修正:2020-08-18 11:33
「平等法」を伝える「平等バス」、17日に国会から出発 
全国25都市を回りながら「平等法」制定を促す 
「平等への道へ、国会は妥協なく合流せよ!」
差別禁止法制定連帯のメンバーらが17日午前、ソウル永登浦区の国会議事堂前で、全国を巡回し差別禁止法制定を促す「平等バス」出発記者会見を終えた後、バスの前で記念写真を撮っている。彼らは29日までに全国25都市を訪れ差別禁止法制定の必要性を伝える=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞

 ソウル市松坡区(ソンパグ)のサラン教会の信者だったAさんは先月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)確定診断を受けた。保育士だったAさんが確定診断を受けた後、保育園がしばらく閉鎖されると、保護者は「なぜ教会に通う人に保育士をさせて私たちに被害を与えるのか」と院長に強く抗議した。体と心を病んだAさんは、結局保育園をやめた。保護者たちと出くわすことを恐れて家の外に出ることもできなかった。この経験は、Aさんの人生と考え方を一変させた。職場や地域社会で、かつて経験したことのない差別を経験し、ほかの人たちが経験した差別経験に共感するようになったのだ。

 Aさんの子である市民団体の活動家「サミー」さん(30、以下全て活動名)は17日、ハンギョレに送った公開の手紙で「私の父母は差別禁止法が同性愛を助長すると信じていたキリスト教徒だったが、新型コロナを経験して考え方を変えた」と伝えた。「以前はこの問題(差別禁止法)で縁を切ること考えさせられたほど頑固な両親だったが、不当な差別を受けてから、二人とも差別禁止法の必要性を感じるようになった」という。そしてサミーさんは差別禁止法に反対する人々に向かって「差別禁止法は社会に害悪を及ぼす法ではなく、皆さんと皆さんが愛する人々が受けるかもしれない不当な差別を防ぐことができる法だ」と訴えた。

差別禁止法制定連帯のメンバーらが17日午前、ソウル永登浦区の国会議事堂前で、全国を巡回し差別禁止法制定を促す「平等バス」出発記者会見を終えた後、バスの前で記念写真を撮っている。彼らは29日までに全国25都市を訪れ差別禁止法制定の必要性を伝える=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞

 サミーさんの家族のように、差別禁止法(平等法)の制定を望む人々が、9月の通常国会を控え、同法制定の趣旨を広報するために「平等バス」で全国巡回に乗り出した。人権団体が結成した差別禁止法制定連帯(差制連)の平等バスは、17日にソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)の国会前を出発し、春川(チュンチョン)、原州(ウォンジュ)、大田(テジョン)、釜山(プサン)、済州(チェジュ)など全国25都市を巡回する予定だ。差制連は「性的少数者・青少年・移住労働者・難民など、差別に反対し、正当な人権を要求する現場を直接回って連帯し、記者会見、街頭宣伝、文化祭などを通じて平等法の必要性について伝える」と明らかにした。

 ただし、新型コロナが再び拡散しているだけに、防疫指針も徹底する予定だ。差制連はバスの28の座席に最大16人のみ座るようにし、ソーシャル・ディスタンシングの原則を守ると明らかにした。地域ごとの行事の一部は縮小し、記者会見などでは参加者全員が名簿を作成して体温を測り、新型コロナの疑いのある症状者との接触を防ぐことにした。差制連の関係者は「毎年約1000人規模で行っていた『平等行進』を行う代わりに、一度に10人程度、1日4~5回接触する小規模の活動を行う予定」と話した。

 出発に先立ち、この日午前10時に国会前で行われた記者会見では、平等バスの出発を応援する人々の発言が続いた。活動家の「タングン」さん(20)は2年前、第1回仁川クィア文化祭に参加した時、平等法の必要性を感じたという。タングンさんは「当時、ヘイト勢力からレインボー旗を奪われるなど攻撃を受けたが、一緒に文化祭に来た友達4人と連帯して恐れずにヘイトを追い払うことができた。平等法の制定とともに皆が連帯して行動すれば、平等な世界になると信じている」と語った。

 ヘイト勢力に傷つけられた新村駅の「国際性少数者ヘイト反対の日広告」キャンペーンに参加した活動家「サグァ」さん(23)は「新村駅の性少数者の地下鉄広告事件は、差別禁止法制定をこれ以上先送りしてはならないという事実を示している」と話した。サグァさんはさらに「2007年に差別禁止法が初めて発議されてから13年がたった。誰もが差別とヘイトの対象にならず、誰でも平等と安全が保障される社会のために差別禁止法が絶対に必要だ」と話した。この日、記者会見が終わった後、差制連の活動家ら14人は「国会は平等に合流せよ」というスローガンを叫び、平等バスに乗り込んだ。

差別禁止法制定連帯のメンバーらが17日午前、ソウル永登浦区の国会議事堂前で、全国を巡回し差別禁止法制定を促す「平等バス」出発記者会見を終えた後、バスの前で記念写真を撮っている。彼らは29日までに全国25都市を訪れ差別禁止法制定の必要性を伝える=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞
オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/958065.html韓国語原文入力:2020-08-17 21:09
訳C.M