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政府・会社 全方向圧迫…労組 "息継ぎしよう" 現実 選択

原文入力:2009-12-04午前12:37:27
鉄道労組ストライキ なぜ撤回したか
‘ストライキ中 対話不用’に ストライキ無力化
KORAIL "労組 事実上 降伏宣言" 評価
"政府 強硬ドライブ 一層強化されるだろう"

ナム・ジョンヨン記者

←キム・ギテ全国鉄道労組委員長(中央)が3日午後6時、ソウル,永登浦区の民主労総会議室でストライキ撤回を知らせる記者会見文を発表した後、席から立ち上がっている。左側はキム・ジョンイン輸送労組委員長,右側は公共輸送労連キム・トファン委員長. キム・ギョンホ記者jijae@hani.co.kr

全国鉄道労働組合が3日、電撃的にストライキを撤回したのは会社と政府の全方向的な圧迫でひとまず息継ぎをしようという考えが取り入れられたものと見られる。事実上、退路を塞がれた状態で被害を最小化しようという現実的な選択をしたわけだ。
だが鉄道労組ストライキは李明博政府の‘公共機関先進化’に対抗した象徴的闘争の性格を帯びていたという点で、今回のストライキ撤回は政府の攻勢強化など少なくない波紋を持たらすと展望される。

■大統領までが前に出たストライキ撤回圧迫
先月26日鉄道労組がストライキに突入した直後、会社は類例のない強硬対応で一貫した。ストライキ参加者800人余りを職位解除し、キム・ギテ委員長など労組幹部197人を業務妨害疑惑で警察に告訴した。成功裏にストライキを終えても組織の後遺症を避けることはできない規模であった。

その上、政府がストライキを不法と規定し圧迫に出たことにより労組の立場はより一層狭くなった。警察は去る1日、ソウル,龍山区の労組事務室2ヶ所を電撃押収捜索した。李明博大統領は先月28日「公企業労組がストライキをするのは国民にとって理解し難く理解も得られないだろう」と話した後、去る2日にはKORAILソウル本部非常状況室を訪問し直接ストライキ対応状況を取りまとめることさえした。

大統領を筆頭に政府が全方向的に鉄道ストライキを圧迫した結果、会社は労組との対話を再開しにくい状況になった。労組は‘条件なき対話’を要求したが会社は‘ストライキ撤回後に対話’という態度から一歩も退かなかった。KORAIL関係者は「24日の最後の交渉以後、水面下での交渉もなかった」と話した。

こういう状況で労組はストライキが長期化する場合、勝算が不透明だという現実的な認識をしたと見られる。鉄道労組関係者は「ストライキをしながら会社を対話の席に引き出すことが不可能だという判断があった」と雰囲気を伝えた。結局、労組はストライキを一旦閉じ、組織を保全しつつ次の段階の闘争を準備する戦略を選択した。

←鉄道労組ストライキ日誌

■公共部門圧迫強化される公算
労組のストライキ撤回直後、KORAILは "事実上の降伏宣言" と評した。また最後まで民刑事上の責任を問い関連者を懲戒すると明らかにし、いわゆる‘非寛容原則’を守る意向を明確にした。

政府は今後、KORAILの経験を公企業労使関係の模範としようとする可能性が大きい。鉄道労組が事実上何も得られないままストライキをたたんだのは強硬対応が通じたためと解釈するということだ。
イ・ビョンフン中央大教授(社会学)は「今回の鉄道労組ストライキを契機に、今後の政府の公共機関先進化ドライブがさらに強化されるだろう」と分析した。このようになる場合、まず公共機関と公企業を中心に団体協約改定を巡る摩擦が大きくなるものと予想される。人事・経営権などを侵害していると指摘を受けた団体協約のある事業場では、会社側が先制的に団体協約を解約しようとすると思われる。また全国公務員労働組合に対する政府の介入も強度がさらに強まると展望される。併せて公共部門で組織力が強いところとして挙げられる鉄道労組のストライキが無力化されたことにより、全国民主労働組合総連盟が今月中旬に予定していた全面ストライキも動力を一部喪失するものと見られる。

今回のストライキはまた労使間対話をしないことによりストライキが無力化されたという点から、政府がこういう‘ストライキ中対話不用’原則を今後守ってくるかも注目対象だ。以前はストライキ中にも対話が続けられたが今回は水面下交渉さえ行えず力による屈服に終わった。

だが政府の強硬基調は労組と使用側間の力による対決関係を強化させることが明らかで、このため当分あちこちで労使関係破裂音が大きくなると憂慮される。

ナム・ジョンヨン記者fandg@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/391413.html 訳J.S