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法務部長官の捜査指揮権発動、「受け入れか拒否か」ユン検察総長の立場表明に注目

登録:2020-07-06 09:15 修正:2020-07-06 12:05

ユン総長、きょう検事長会議の結果を検討 
諮問団の中止など、長官の指揮を受け入れる一方 
総長権限の制限については「再考を要請」意見が多数 
「受け入れか拒否か」立場表明に注目集まる 
ユン総長、辞任の可能性は否定 
 
チュ長官、「捜査指揮」貫く方針 
「第3の特任検事」交渉案も一蹴し、強硬姿勢 
ユン総長が異議を申し立てた場合、指揮拒否とみなす 
新法務監察官にリュ・ヒョク氏を任命し、背水の陣 
法務部「最高検察庁の立場を見てから対応する方針」

今月5日、ソウル瑞草区の最高検察庁/聯合ニュース

 チュ・ミエ法務部長官の捜査指揮権発動に対応するため今月3日にユン・ソクヨル検察総長(日本の検事総長)が召集した全国検事長会議で、チュ長官に「指揮の再考」を要請する意見が多数だったことを受け、ユン総長がどのような選択をするかに関心が集まっている。法務部は「捜査の再指揮はしない」方針であり、ユン総長の選択次第では対立がさらに深まる可能性もある。

 5日、ハンギョレの取材を総合すると、最高検察庁企画調整部は6日、ユン総長に全国検事長会議の結果を正式に報告する予定だ。ユン総長が会議の結果を検討した後、この日すぐに立場表明を行うかどうかは確かでない。

 チュ長官とユン総長の溝を埋めるのは、今のところ困難な状況だ。チュ長官が今月2~3日に公開した捜査指揮書と別途資料で明らかにした内容は、専門捜査諮問団の審議手続きの中止▽現捜査チームの維持▽ユン総長の指揮・監督権の排除の3つに要約できる。全国検事長会議が開かれた3日午前には、法務部と最高検察庁の交渉案として議論されてきた「第3の特任検事」カードについて、「長官の指示に反する」と述べ、妥協する余地がないことを示唆した。チュ長官は捜査指揮書で「検察総長の捜査指揮について、公正性に疑問を抱かせないよう、透明な手続きに基づいて意思決定が行われるべきだ」と述べた。検察庁法に規定された法務部長官の指揮・監督権限に検察が従わなければならないという態度だ。

 しかし、この捜査指揮書には検察総長の指揮・監督権限を制限するという内容が含まれているため、ユン総長がこれをそのまま受け入れるのは難しいものと見られている。検察庁法第8条は、法務部長官が具体的な事件において検察総長を指揮・監督することができるが、第12条では検察総長が検察庁公務員を指揮・監督することになっている。検察内部では、個別事件で検察総長が法務部長官の「部分的職務排除」を受け入れれば、今後悪い前例となりかねないという懸念の声もあがっている。

 このため、全国検事長会議でも、専門捜査諮問団の招集についてはチュ長官の指揮に従う一方、ユン総長の捜査指揮・監督権限を制限する措置は再考するようチュ長官に要請すべきだという意見が多数だったという。しかし、チュ長官が既存の捜査指揮書から一歩も退けないという強硬な態度を示しているため、ユン総長が検察内部の意見を受け入れて異議を申し立てた場合、捜査指揮拒否と見なされ、追加措置に乗り出す可能性もある。

 チュ長官は捜査指揮の「指示不履行」を根拠に、法務部監察などユン総長に対する懲戒手続きに着手することも考えられる。法務部は今月3日、検事長会議が開かれている間、新しい法務部監察官にリュ・ヒョク弁護士(52・司法研修院26期)を任命した。リュ弁護士は今年1月、チュ長官が法務部検事長級のポストに任命しようとしたが、検察人事委員会の反発でそれが実現しなかった人物だ。

 法務部の検察総長の監察はこれまで1回しかなかった。2013年、ファン・ギョアン法務部長官がいわゆる「婚外子疑惑」がもちあがったチェ・ドンウク検察総長の監察を指示した後、チェ総長が辞表を出したが、大統領府が法務部の真相調査発表まで辞表を受理せず実際に監察が10日ほど行われた。当時、チェ総長は法務部の監察調査に応じなかった。

 チュ長官の捜査指揮権発動がどのように展開されても、ユン総長が辞任を考慮することはないだろうと見られている。検事長会議でも「ユン総長が辞任を表明するのは望ましくない」という見解が多かったという。法務部の関係者は「チュ長官が公式的に捜査指揮をしただけに、ひとまず最高検察庁の立場がまとまるのを見て対応する方針だ」と話した。

キム・ジョンピル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/952341.html韓国語原文入力:2020-07-0607:04
訳H.J

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