新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の新規感染者数が3日連続で60人を超えたが、防疫当局は5日、社会的距離措置のレベルを第2段階まで上げる段階ではないと発表した。ただし、「生活の中の距離措置」に当たる第1段階の中での「危機レベルは厳しい状況」と診断した。3日連続60人台の記録は、4月6日に新規感染者が47人に減って以来3カ月ぶりのことだ。
同日0時現在、中央防疫対策本部(防対本)が集計した新規感染確認者は前日より61人増えた。光州(クァンジュ)ではこの日だけで15人が追加で確認され、ソウル(14人)や大田(8人)、京畿道(4人)など計43人が地域社会で感染した。医療機関やコールセンター、銀行などで小規模の集団感染が相次いでいる。これを受けて、中央災難安全対策本部(中対本)は同日、「モグラたたき」式に感染を遮断していると表現した。あちこちで散発的に発生する感染事例を追跡する速度がCOVID-19の拡散速度に追いつけない状況を皮肉った言葉だ。
韓国政府が「社会的距離措置の第1段階」を維持する指標として示した「2週間平均1日感染者数50人」も脅かされている。ここ2週間(6月21日~7月4日)の平均一日新規感染者数は46.9人だ。今月に入って5日連続で50人以上を記録した。しかし政府は、「50人」は地域社会での感染者が中心だと説明する。海外からの流入事例は検疫の過程で選別されたり、いち早く隔離され、地域社会での2次感染にはつながらないという理由からだ。地域社会の感染例だけを見ると、最近で新規感染者が50人以上出たのは今月3日(52人)だけだった。
「距離措置第1段階」の他の指標である「感染経路不明(調査中)5%未満」や「防疫網内での管理比率80%以上」、「管理中の集団発生事例の抑制」なども崩れて久しい。この2週間で感染経路不明(調査中)の事例は4日基準で13.2%まで跳ね上がり、防疫網内の管理比率は80%に及ばない。特に首都圏に比べ、医療資源が不足する非首都圏地域の1日の平均患者は3.4人(6月7日~20日)から11.7人(6月21日~7月4日)に増えた。ソウル大学医学部のホン・ユンチョル教授(予防医学科)は、「防疫準備が整っていない地域で患者が急増しているため、距離措置第2段階への転換を深刻に考慮しなければならない状況だ」と話した。
しかし、距離措置の段階を区分する4つの基準は「参考指標」にすぎず、最終決定は防疫当局にかかっている。防疫当局は、COVID-19の変異と拡散速度などを測定するため、地域ごとに感染確認者の遺伝子の塩基配列を分析する作業を進めている。この分析結果も距離措置の段階転換の判断根拠となる。パク・ヌンフ中対本1次長は「地域ごとに危険度が同じではないため、地域人口に対する感染者の割合、地域社会がカバーできる医療資源などを考慮し、各地域にふさわしい距離措置段階を決める戦略が正しいと思う」と述べた。全羅南道は同日、光州広域市は今月2日、自主的に「距離措置」段階を第2段階に上げ、室内での50人以上の会合を禁止した。
ファン・イェラン記者 younghang@donga.com