世界の1日の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)新規感染者数が4日、20万人を初めて超えるなど、ウイルスの拡散傾向がますます強くなっている。
世界保健機関(WHO)が同日午前10時(中央欧州サマータイム基準)に集計した世界の1日のCOVID-19新規感染者数は21万2326人を記録した。1日の新規感染者数は先月28日に19万566人で最高値を記録して以来、16万~17万人を推移していたが、同日20万人を超えた。
米大陸がこのような増加傾向の中心地となっている。米国は1日で5万3213人、ブラジルは4万8105人が新たに陽性判定を受けたと、WHOに報告した。世界の新規感染者の61%に当たる12万9772人が米大陸で発生した。全世界の累積感染者数は1092万2324人、死者は52万3011人と集計された。WHOの資料は加盟国の公式報告を集計したものであり、リアルタイムで統計を公開する米国のジョンズホプキンス大学などの数値とは差がある。
米国の場合、フロリダ州で1日で1万1445人の感染者が発生し、今月2日の最高値を上回ったとAP通信などが報じた。世界で4番目に感染者の多いインドの新規感染者も同日2万2771人で、COVID-19発生以来最も多かった。日本でもCOVID-19第2波の兆しが見える。NHKは4日、日本の新規感染者数が274人で、5月2日(304人)以来63日ぶりに最も多かったと報道した。
こうした中、米ロスアラモス国立研究所などの多国籍研究者らは2日、医学学術誌『セル』に掲載した論文で、従来の新型コロナウイルス(D614)より感染力が3~9倍強い変異株(G614)が全世界に広がっていると分析した。この変異株は今年2月20日、イタリアで初めて確認されたが、約1カ月で世界の新型コロナウイルスの半分を占めた。また、5月末頃には従来のウイルスをほとんど代替したことが確認されたと、研究者たちは明らかにした。同研究に参加した米国ラホイア免疫学研究所のエリカ・オルマン・サファイア博士は「変異株が人間にさらに害を与えるかどうかは確かでない」と述べた。
この変異株は人体細胞と結合する時に作用するタンパク質のペプロマーに影響を及ぼすことが確認された。現在開発中のワクチンのほとんどが従来の新型コロナウイルスのこのタンパク質を攻略対象にしており、この変異がワクチンの効果に影響を及ぼすかどうかを検討していると研究陣は説明した。