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ビーガン副長官、「向き合う必要ない」という北朝鮮に前向きなメッセージ送るか

登録:2020-07-06 06:37 修正:2020-07-06 07:33
[スティーブン・ビーガン副長官、明日2泊3日の日程で訪韓] 
労働新聞「火星14型」特集記事掲載 
米国に対する非難・敵がい心示さず 
対話の拒否ではなく“行動”求めるものと見られる
2018年9月15日、韓国のイ・ドフン朝鮮半島平和交渉本部長と会談するため外交部庁舎に入るスティーブン・ビーガン対北朝鮮政策特別代表(左)と、第1回朝米首脳会談を翌日に控えた同年6月11日、シンガポールのリッツカールトンホテルに向かうチェ・ソンヒ外務次官//ハンギョレ新聞社

 スティーブン・ビーガン米国務副長官兼北朝鮮政策特別代表が7日に訪韓し、韓国政府の外交安保分野の中心人物らと相次いで面会するものと見られる。ビーガン副長官が持ってくる「対北朝鮮メッセージ」に関心が集まる中、北朝鮮が4日の「チェ・ソンヒ談話」で「米国と向き合う必要はない」と述べたことが注目される。しかし同日、北朝鮮が3年前に米国を射程圏内にとらえた大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に成功したことを大々的に宣伝しながらも、米国に対する非難を意識的に控えたことから、談話の狙いは“対話の拒否”ではなく、”実質的な行動”を求めることにあるものと見られている。

 5日、複数の政府関係者の話によると、ビーガン副長官は7日から2泊3日で韓国に滞在し、カン・ギョンファ外交部長官をはじめ、チョ・セヨン外交部第1次官、イ・ドフン朝鮮半島平和交渉本部長ら外交部高官に会う予定だという。南北関係が硬直し、朝米対話でもこれといった進展が見られない中、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がビーガン副長官と直接面会し、政権後半期の韓国政府の対北朝鮮政策を説明するとともに、朝米対話の早急な再開を求める可能性も排除できない。

 ビーガン副長官の対北朝鮮メッセージは、訪韓期間に予定された略式記者会見で示される見通しだ。朝米対話の突破口を開くほどの前向きなメッセージを持ってくるかどうかによって、北朝鮮の反応も変わるものと見られる。これに先立ち、北朝鮮のチェ・ソンヒ外務次官は4日、「朝鮮中央通信」に発表された談話で、「米国と向き合う必要はない」という強硬な立場を示した。

 注目すべきなのは、北朝鮮側が、チェ・ソンヒ談話が発表された日の「労働新聞」1~3面に2017年の「火星14型の打ち上げ成功」を取り上げた12件の特集記事を掲載しながらも、米国に対する非難や敵がい心を煽る発言を控えたことだ。「火星14型」は北朝鮮の長距離ロケットの中で初めて米国本土を射程圏内とらえた大陸間弾道ミサイルだ。北朝鮮のこうした態度は、米国に示したい“思惑”が別にあるという意味だ。

 「チェ・ソンヒ談話」は、「忘れられつつあった“朝米首脳会談”という言葉が数日前から話題になり、国際社会の耳目を集めている」という文で始まる。そして「すでに実現した首脳会談の合意も眼中になく、朝鮮に対する敵視政策にしがみつく米国との対話や取引が果たして成立するだろうか。朝米対話を政治的危機を乗り越えるための道具としか考えていない米国とは向き合う必要がない」と述べた。

 「チェ・ソンヒ談話」における朝米対話の拒否は、無条件的かつ全面的なものではない。「敵視政策」を問題視し、ドナルド・トランプ米大統領の再選用の「道具」に悪用されるような会談はしないという意思表示に近い。先月30日、ある講演で「双方が進もうとしている方向で、実質的な進展を果たす時間がまだあると信じている」と述べたビーガン副長官に対し、「とりあえず会おう」というような“対話のための対話”には応じるつもりがないという考えを明らかにしたのだ。言葉ではなく“行動”を求めているということだ。

 「労働新聞」の特集は「今こそ自力富強、自力繁栄の大業を成し遂げていく責任ある時期」だとし、「開発創造型工業」「全社会的に(利潤など)数字を重視する気風」、「地域別、部門別、単位別社会主義競争」などを呼び掛けた。「労働新聞」は5日付で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応した「国家非常防疫」の強化と平壌総合病院の建設を促す社説を1面トップで掲載した。金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の関心事を示すとともに、「朝鮮半島平和プロセス」の再推進に向けた潜在的動力のある分野といえる。

イ・ジェフン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/952322.html韓国語原文入力:20-07-05 21:14
訳H.J

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