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[社説]ビーガン訪韓、言葉ではなく行動で朝米対話の扉を開けよ

登録:2020-07-06 02:18 修正:2020-07-06 06:38
米国のスティーブン・ビーガン国務副長官兼北朝鮮政策特別代表(左)とマイク・ポンペオ国務長官=米国務省提供//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮のチェ・ソンヒ第1外務次官は4日、談話を発表し、「朝米対話を自分たちの政治的危機に利用するための道具としか考えていない米国とは向き合う必要はない」と述べた。またチェ次官は「朝鮮に対する敵視政策に執拗にしがみついている米国と、果たして対話や取引が成立するのか」と主張した。

 この談話をめぐり、一部では「北朝鮮が米大統領選挙前の朝米首脳会談の可能性を一蹴した」と分析しているが、そうとばかりは言えない。チェ次官の談話を詳しくみると、米国は新たな状況を作るか、対北朝鮮敵視政策を変えるべきとの「対話の条件」が込められている。中身のない言葉ではなく意味のある「行動」を取れば、米国と向き合い得るという意味だ。

 チェ次官の談話は、先週の文在寅(ムン・ジェイン)大統領による3回目の朝米首脳会談の仲裁に努めるという発言と外交安保チームの交代、北朝鮮との非核化実務交渉を総括するスティーブン・ビーガン米国務副長官兼北朝鮮政策特別代表の今週の訪韓(7~9日)に合わせて出された。昨年11月にビーガン副長官は、非核化交渉のカウンターパートとしてチェ次官の名に言及している。訪韓期間中にビーガン副長官が打ち出すであろう対北朝鮮メッセージが朝米対話再開のカギになるものとみられる。

 今は朝鮮半島情勢の悪化防止のための状況管理を緻密にするとともに、膠着状態の南北・朝米対話の突破口を見出すべき時だ。まず米国の交渉への意志を示す行動が必要だ。今年8月の韓米合同軍事演習の調整は検討に値する。北朝鮮は同演習を「対北朝鮮敵視政策」として問題視してきた。今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で韓国と米国いずれも演習の準備に多大な困難を抱えているという。両国政府がこの演習を調整することで北朝鮮に信頼を示し、創意的な交渉案を作成して行き詰まった対話の扉を開くことを期待する。

 韓国政府は能動的に南北関係を改善するとともに、これを通じて朝米関係も前に進めていくべきだ。文大統領によるパク・チウォン国家情報院長の抜擢には、「南北は積極的かつ迅速に南北関係の改善に取り組むから、米国も前向きな態度を示せ」とのメッセージが込められている。訪韓中にビーガン副長官がソ・フン国家安保室長、イ・イニョン統一部長官候補、パク・チウォン国情院長候補などの新たな外交安保チームと会談する可能性もあるという。政府は、ビーガン副長官に韓国の立場を明確に伝え、米政府を積極的に説得することを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/952330.html韓国語原文入力:2020-07-05 19:34
訳D.K

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