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北朝鮮、軍事行動取り消しではなく保留…韓国政府、緊張緩めず「慎重モード」

登録:2020-06-25 01:55 修正:2020-06-25 07:45
大統領府などは公式に立場示さず 
「対北朝鮮ビラ散布は断固として対処」 
南北間合意順守の意志示す 
 
チョン・ギョンドゥ長官「拡声器の撤去をリアルタイムで把握 
北朝鮮は軍事行動計画を完全に撤回すべき」
24日午前、仁川市江華郡の平和展望台から望む北朝鮮の黄海北道開豊郡の山の中腹に、昨日まで設置されていた対南拡声器が撤去されている//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が先に予告していた「対南軍事行動計画」を「保留」することを決めたのに続き、最前線では韓国に向けた拡声器を撤去する動きが捉えられ、韓国政府もひとまず一息つくことになった。

 韓国政府は、北朝鮮が韓国に対する軍事行動計画の全面的な「取り消し」ではなく「保留」を決定したということから見て、いつでも再び態度を変えて軍事行動に出てくる可能性があると判断し、慎重な姿勢を示している。北朝鮮の決定に下手に公式の立場を表明するのではなく、原則どおりに南北合意を順守し、最近の南北関係硬直の口実となった民間団体による対北朝鮮ビラ散布に断固として対処するという立場だ。

 統一部のヨ・サンギ報道官はこの日の定例ブリーフィングで、「(北側の)報道を綿密かつ慎重に検討しており、状況を見守る」とし、「南北間の合意は守らなければならないという政府の基本的立場に変更はない」と明らかにした。また、「これとは別に、北朝鮮へのビラ散布など、南北間の緊張を高め、境界地域住民の安全を脅かす行為に対しては、今後も断固として、かつ厳正に対処していく方針」と強調した。北朝鮮の態度変化の理由についての下手な判断は先送りし、韓国は韓国なりに、相手に対するビラ散布禁止という南北の合意事項を厳格に守るという意志を示したものだ。

 大統領府も公式の反応は示さず、状況を見守った。大統領府の高官は「今回の事案だけを見れば悪くない」としつつも、「しかし、今は非常に慎重に状況を注視している。今回の件だけで今後どうなるかを予測するのは難しいため、いかなる言及も慎重にならざるを得ない」と述べた。別の関係者たちも「一喜一憂する事案ではない」とし、「もう少し慎重にアプローチする必要がある」と口をそろえた。

 ただ大統領府側は、このかん政府が脱北民団体による対北朝鮮ビラ散布に断固たる態度を取るとともに、文在寅(ムン・ジェイン)大統領が6・15南北共同宣言20周年記念の挨拶で「南北の合意事項を順守してほしい」と呼びかけたことが影響を及ぼした可能性があると考えている雰囲気だ。キム・ヨンチョル統一部長官が最近の事態の責任を負って辞任したことを挙げる人もいる。ある大統領府関係者は「対北朝鮮ビラに関しては断固として取り締まるというサインを出す」とし、「すでに文在寅大統領が北朝鮮に提案している様々な協力議題は、依然として有効」と話した。

 政府は、統一部や国防部などを中心として状況を見守り、管理していく方針だという。チョン・ギョンドゥ国防部長官はこの日、軍事裁判所の業務報告に関連して国会法制司法委員会に出席し、「(北朝鮮側の最前線地域の対南拡声器が撤去される)そのような動きを見せている」とし、設置や撤去の動向も「リアルタイムですべて把握している」と確認した。チョン長官はまた、北朝鮮が韓国への軍事行動を保留すると表明したことに対し、「(保留ではなく)完全に撤回すべき」と述べた。

ノ・ジウォン、ソン・ヨンチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/950831.html韓国語原文入力:2020-06-24 20:59
訳D.K

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