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瀬戸際に立たされた生活防疫…首都圏の距離措置を再び強化

登録:2020-05-29 07:52 修正:2020-05-29 09:43
物流センター関連集団感染が拡大 
一日の感染者が79人に急増 
29日夜から6月14日まで 
学習塾・ネットカフェなど運営自粛を勧告 
博物館などの公共施設の運営を中止 
登校授業は予定通り実施
今月28日午後、新型コロナウイルス感染症患者が発生した京畿道高陽市徳陽区元興洞のクーパン高陽物流センター管轄の徳陽区保健所で、クーパンの従業員をはじめ周辺の市民が検査を受けるために待機している=高陽/キム・ボンギュ先任記者//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大傾向が目立っている首都圏の公共施設の運営を中止し、学習塾やネットカフェなどの運営を制限するなど、防疫措置を強化することにした。登校授業を予定通り進め、「生活防疫」システムを維持するとしているが、事実上「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」レベルに防疫の水準を引き上げるわけだ。28日午前0時現在、新規感染者は前日より79人も増え、政府が生活防疫への転換の際に示した基準値である50人を大幅に上回った。

 政府は同日、チョン・セギュン首相の主宰で、COVID-19首都圏集団感染関連の緊急関係長官会議を開き、ソウルや仁川(インチョン)、京畿地域の住民と施設を対象に強化された防疫措置を施行することにした。パク・ヌンフ中央災害安全対策本部第1次長は会議後のブリーフィングで「京畿道富川(プチョン)の物流センターと関連した首都圏の連鎖感染が懸念されており、潜伏期を考慮すれば、今後1~2週間が首都圏の感染拡大を防ぐのに重要なヤマ場になる」としたうえで、「29日午後6時から6月14日午前0時までの17日間、首都圏のすべての部門で防疫管理を強化する」と発表した。

 これを受け、政府は首都圏地域の公共図書館や博物館などの公共施設は、屋内外の区分なく運営を中止することにした。飲み屋やカラオケボックス、学習塾、ネットカフェなど大衆利用施設には運営の自粛を勧告する一方、定期的に現場点検を行う。防疫守則に従わず運営した場合は、300万ウォン(約26万円)以下の罰金が科せられる。防疫当局は「カラオケなどは各地方自治体がすでに行政命令を発令した経緯があるため、(生徒たちが主に訪れる)学習塾とネットカフェについて、より厳格な規則を守るよう求めたと見てよい」と説明した。首都圏の住民は、不要不急の外出や会合、行事などを自粛しなければならない。

 政府がこのような措置を下すしたのは、最近、新規感染者の80%が発生している首都圏を中心に、COVID-19の感染拡大傾向が勢いを増していると判断したためだ。一日の新規感染者数は、先月8日(53人)以降51日ぶりに50人を超えた。この2週間の感染経路不明者の割合も先月13日の2.7%から同日は7.6%まで高まった。

 これまで政府は、防疫レベルを「生活防疫」(生活の中の距離措置)と「ソーシャル・ディスタンシング」、「強化されたソーシャル・ディスタンシング」の3段階に分けて調整してきた。今月6日には、生活防疫への転換に先立ち、防疫当局は1日の新規確認者が50人未満、感染経路が不明な割合が5%未満の場合が管理可能なレベルだと説明してきた。

 同日、パク・ヌンフ第1次長は「生活防疫とソーシャル・ディスタンシングの境界線にあると見てよい」とし、「1週間以上一日の新規感染者が50人以上発生すればソーシャル・ディスタンシングに切り替える直接的指標になるが、それに先立って防疫を強化したのは、登校授業を引き続き実施するため」だと説明した。ソーシャル・ディスタンシングに転換すれば、生徒たちの登校がまた中止され、宗教施設などさらに多くの大衆利用施設に対する守則が強化される可能性もある。

 この日の政府の首都圏防疫措置強化発表について、嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授は「首都圏におけるCOVID-19の感染拡大の範囲が予想よりも広いかもしれない。市民の参加率が以前のように高くない可能性もあるという点などから、政府がより強力な距離措置を打ち出す必要がある」と指摘した。高麗大学九老病院のキム・ウジュ教授(感染内科)は「最近の感染拡大状況は首都圏での2次流行に広がる可能性があるという点で注視する必要がある」としたうえで、「比較的防疫がうまく行われてきた博物館など公共施設に対する防疫を強化するよりは、コールセンターや物流センターなど隠れた高危険施設を見つけ出し、防疫を強化する必要がある」と提案した。

チェ・ハヤン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/946986.html韓国語原文入力:2020-05-29 02:42
訳H.J

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