京畿道富川市(プチョンシ)のクーパン(オンライン・ショッピングモールのひとつ)生鮮物流センターで少なくとも63人の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者が確認されるなど、感染が拡大し、地域社会の不安が高まっている。富川のバイキングレストランに続き、クーパン物流センターでも集団感染が発生したことを受け、衝撃に包まれた富川市は再び「社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)」を宣言し、京畿道も再強化の検討に入った。
富川市は27日、「生活の中の距離措置」から「ソーシャル・ディスタンシング」体制に転換すると発表した。富川市のチャン・ドクチョン市長は前日、自身のフェイスブックでこうした事実を伝え「クーパン富川物流センターの状況は甘くない」とその背景を説明した。これは、ソウル梨泰院(イテウォン)のクラブ発の「仁川(インチョン)の塾講師」に連なる感染者が訪れた富川のバイキングレストランや、これを通じて市中に再拡散したクーパン物流センターまで、集団感染事態が収拾できない状況に至った現実を遠まわしに表現したものだ。
富川地域の学校は、この日から高校3年生を除く小中高生と幼稚園児全員が登校授業を延期し、従来通り遠隔授業を行っている。また富川市は、来月2日までの保育園への登園自粛を勧告した。また政府による「生活の中の距離措置」への転換に伴い、今月6日には公共のスポーツ施設などを開放しているが、27日から再び閉鎖した。図書館などの公共施設訪問の際の体温の確認、名前と連絡先を含めた訪問者リストの作成なども強化した。富川市民も大衆利用施設の利用を自粛する雰囲気だ。仁川市教育庁も28日から、物流センターの感染者が相次いで確認された富平区(プピョング)と桂陽区(ケヤング)地域のすべての児童生徒(高校3年生を除く)に対し、遠隔授業への転換を決めた。
京畿道もソーシャル・ディスタンシングへの再強化の検討に入った。京畿道COVID-19緊急対策団のイ・ヒヨン共同団長(盆唐ソウル大学病院公共医療事業団教授)はこの日のCOVID-19定例ブリーフィングで「ソウル梨泰院のクラブ発のクラスターが3週間で7次にまで達した。最初はクラブのような密接地域だったとすれば、5、6、7次と少しずつ進むにつれ、一般的な状況で流行が発生するようになっている」とし、ソーシャル・ディスタンシングへと再強化する必要性を強調した。京畿道は、ソーシャル・ディスタンシング体制へ再強化するかを議論し、近いうちに実施するかどうかを発表する方針だ。
クーパン物流センターだけで30人の感染者が確認された仁川市も必要性に共感しているという。中央防疫対策本部のチョン・ウンギョン本部長はこの日の定例ブリーフィングで「感染拡大の危険度を判断して、危険度がある程度統制可能な範囲を超えていると判断されれば、ソーシャル・ディスタンシングを一部の流行地域を対象として強化することも検討する必要がある」と述べた。