韓国国内で5大大型上級総合病院の一つに挙げられるサムスン・ソウル病院で19日、感染経路不明の医療陣の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の集団感染が発生した。登校再開を翌日に控えた同日正午までに10人以上の感染事例が確認され、さらに大きな感染拡大が懸念される。
中央防疫対策本部(防対本)とソウル市、江南区(カンナムグ)の説明によると、19日午前0時以降正午までに12人の感染が新たに確認された。特に、ソウル市江南区にあるサムスン・ソウル病院では、前日に看護師1人がCOVID-19陽性判定を受けており、同日午前中だけでさらに3人の看護師が感染者と判明した。この4人は胸部外科と産婦人科の手術室で働く看護師だ。このうち2人は感染が確定した当時、症状がないか、非常に軽かった。これまで把握されたこれら看護師たちの接触者は623人で、このうち347人が陰性判定を受けた。感染が医療陣を中心に病院内で広がったのか、外来患者や訪問者を通じて外から持ち込まれたのか、感染経路もまだ確認されていない。サムスン・ソウル病院は、該当看護師が主に働いていた病院3階の胸部外科や産婦人科など25の手術室を閉鎖し、今後3日間は新規入院患者を受け入れないと発表した。
病院関係者の感染は京畿道龍仁市(ヨンインシ)でも発生した。同日、COVID-19陽性判定を受けた江南病院の職員(26)は18日、発熱やだるさ、咳などの症状で検査を受けた。同日までCOVID-19に感染した医療スタッフは累積266人だが、医療スタッフから患者が感染した事例はまだない。
ソウル永登浦区(ヨンドンポグ)にある韓国科学技術職業専門学校でも、在学生のAさん(19)の感染が確認された。Aさんは梨泰院(イテウォン)のクラブ関連感染者3人が出た道峰区(トボング)所在のカラオケを同時間帯(7日夜10時ごろ)に訪問したという。Aさんは教育部が運営する単位バンク制度の参加者だが、同校の単位バンク制度関連学生623人は先月20日から登校授業を行っていた。Aさんは11日に症状が現れたが、15日までに登校したものと把握され、防疫当局は学校での接触者の疫学調査を行っている。
動線を隠していた仁川(インチョン)の塾講師関連の感染事例は同日、8件が追加され、計25人となった。このうち1人は、塾の講師が搭乗したタクシー運転手の4歳の孫で、4次感染と推定される。タクシーに乗った中国国籍の夫婦2人も同日、陽性と判明した。塾講師が働く塾の生徒らが訪れたコインカラオケ(2階)と、同じ建物11階のネットカフェでも、感染者がそれぞれ1人発生した。防疫当局は、建物のエレベーターを感染経路と見ている。
韓国政府は同日午後、第4回生活防疫委員会を開き、COVID-19危険度を評価する施設(既存31施設)に海水浴場や産後ケア施設、ウォーターパークなど8施設を追加し、密集度や密閉度、活動度、群集度、持続度、管理度の6基準によって施設の危険度を評価することにした。このため、ハンティングポチャ(居酒屋)や感性酒場(ラウンジバー)、カラオケ、スピニング(バイクエクササイズ)など室内集団運動をする体育施設は高危険施設に、塾やネットカフェ、室内ウォーターパーク、結婚式場、一般飲み屋、銭湯などは重危険施設に分類される。
同日の会議では、高危険施設の危険度を下げる様々な案も話し合われた。QRコードを活用して訪れた人の名簿を作る場合、個人情報を誰がいつまで保管するか、休業を余儀なくされた場合、施設にどのような補償をするかなどを協議したが、結論には至らなかった。政府は同日の議論の結果を踏まえ、関連省庁や地方政府との追加協議を経て、今月中に関連案を発表する計画だ。