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北朝鮮出身国会議員当選者ら、反省はおろか「金正恩、果たして健康なのだろうか」

登録:2020-05-04 07:03 修正:2020-05-04 13:13
明確な根拠もなく、再び疑惑を持ち上げる 
統合党内部も「行き過ぎた言動」と批判 
党レベルの懲戒以外は制止できず
未来統合党のテ・ヨンホ当選者(左)と未来韓国党のチ・ソンホ比例代表当選者//ハンギョレ新聞社

 第21代国会に「北朝鮮出身」を掲げて当選したのは、未来韓国党のチ・ソンホ比例代表当選者とソウル江南甲選挙区のテ・ヨンホ未来統合党当選者の2人だけだ。彼らは北朝鮮出身という共通点のほかにも、「金正恩(キム・ジョンウン)健康悪化説」と「死亡説」を拡大再生産するのに一役買ったことにおいても類似している。今月1日、チ氏は「聯合ニュース」などメディアに「北朝鮮内部の消息筋」を引用し、「今週末、北朝鮮が金正恩の死亡を発表するのではないかと思う」と述べた。その翌日、フェイクニュースであることが判明したが、チ氏は「金正恩の健康に問題があるかどうか速断せず、もう少し見守ろう」と発言した。自分の間違いを認め、謝罪することはなかった。

「金正恩委員長 健康異常説」増幅報道プロセス//ハンギョレ新聞社

 先月27日(現地時間)、米CNNとのインタビューで、金委員長が「一人で立ち上がったり、歩くことも困難な状態であることは明らかだ」と主張したテ・ヨンホ氏もそうだった。テ氏は2日、自身のフェイスブックに「結果的に私の分析はやや外れたかもしれない」としながらも、「しかし、この20日間、金正恩の健康には何の異常もなかったのだろうか」とし、新たな疑惑を持ち上げた。1日、「労働新聞」が公開した写真に写った金委員長の車が、2008年に金正日(キム・ジョンイル)総書記が脳卒中で倒れた後、短い距離も歩けず、現地指導の度に使用していた車と同であることを根拠に挙げた。しかし、これについて統一部当局者は「儀典用車とみられる。以前にも似たような車が登場したことがある」とし、テ氏の主張を一蹴した。

 共に民主党はもとより、未来統合党内からも批判の声が上がっている。統合党所属で4・15総選挙に出馬して落選したキム・グンシク慶南大学教授は、自身のフェイスブックで、テ・ヨンホ当選者とチ・ソンホ当選者を狙って、「とにかく、実力をつけよう。行き過ぎた言動には注意しよう。“洞窟”に閉じ込められず、合理的でバランスの取れた思考を拡大しよう」と批判した。

 北朝鮮に関する未確認情報を流布し、国の安保や外交、南北関係に混乱をもたらし、不必要な不安を助長したにもかかわらず、今のところ統合党レベルの懲戒措置以外は彼らの発言を制止できる方法はない。しかし、統合党は依然として(自分とは全く関係ないと言わんばかりの)“流体離脱話法”を駆使している。キム・ソンウォン統合党スポークスマンは2日に発表した論評で、「政府は金正恩委員長に関する一連の過程を単なるハプニングと考えず、政府と情報機関に対する国民の信頼を固める契機にすべきであり、繰り返される北朝鮮リスクに対する対策づくりにも取り組まなければならない」と主張した。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/943439.html?\fr=st1韓国語原文入力:2020-05-04 02:30
訳H.J

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