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道のり長い「n番部屋防止法」…一歩前進したが、“遅すぎる処理”に批判

登録:2020-05-01 09:41 修正:2022-05-24 07:24
紆余曲折の末に国会通過…成果と限界 
ほとんどが「n番部屋事件」前から発議 
「法廷強姦の基準年齢」引き上げも3年5カ月かかり 
脅迫・強要の処罰も昨年から発議 
寝かせていた法案を一度に処理 
 
審査が遅れ通過できなかった法案も 
「オンライン事業者の義務強化」は議論中 
ストーキング処罰改正案も「継続審査」に 
処罰強化の進展にも、道のりの長い立法
与野党議員らが4月29日夜、国会本会議で「n番部屋事件再発防止法」と呼ばれる性暴力犯罪の処罰などに関する特例法・刑法・犯罪収益隠匿の規制および処罰などに関する法律の改正案を議決している=カン・チャングァン先任記者//ハンギョレ新聞社

 第20代国会の任期をちょうど1カ月残した先月29日、「n番部屋(テレグラム性搾取物事件)再発防止法」が紆余曲折の末、国会で可決された。違法な性的撮影物を所持・視聴するだけでも処罰することになるなど大きな進展があったが、「遅すぎる処理」という批判は免れがたい。

 今回成立した刑法・性暴力処罰法・児童青少年保護法改正案などは、決して新しい内容ではない。特に未成年者との性関係を未成年者の同意とは関係なく強姦と見なす「擬制強姦(法定強姦)基準年齢」を13歳から16歳に引き上げる内容の刑法改正案は、第20代国会の間中、法制司法委員会で眠っていた法案だ。任期初期だった2016年7月、当時セヌリ党のキム・スンヒ議員が発議し、同年11月に法司委に付託されたが、3年5カ月が経ってようやく法司委を通過し本会議に上程された。

 違法性的撮影物を利用して脅迫・強要する行為を処罰する性暴力処罰法の条項も今回新設されたが、同法案は昨年1月から発議されていた。当時自由韓国党のユン・サンジク議員をはじめ、正義党のユン・ソハ、民主党のチン・ソンミ議員が相次いで関連法を発議し、法司委の門をたたいたが返答はなかった。その間に昨年8月、歌手の故ク・ハラさんの元交際相手のチェ・ジョンボム氏がクさんに「一緒に撮った映像を流布する」と脅迫した疑いで受けた裁判で、「実際に流出・情報提供はしなかった」という点が酌量され、一部無罪を言い渡された。

 違法性的撮影物を撮影・制作する犯罪の法定刑を上方修正する法案は昨年3月に(ユン・ソハ議員)、自分の身体を直接撮影しても後で当事者の意思に反して流布する犯罪を処罰する法案は昨年10月に(チン・ソンミ議員)、強姦・強制わいせつなど性暴力犯罪を謀議する行為も処罰する法案は昨年10月に(ソ・ヨンギョ議員・民主党)それぞれ発議された。しかし法司委は、総選挙が約1カ月後に迫った3月初めになってようやく審査に入った。

 常任委員会の審査が遅れ、第21代国会の立法課題として残った法案もある。児童・青少年を利用したわいせつ物所持罪で処罰された者は児童・青少年関連機関への就業を制限し▽児童・青少年を対象とした性犯罪の刑罰に下限を置く法案は、まだ女性家族委員会で議論中だ。オンライン事業者に違法撮影物の流通を防ぐ義務を与え、これを放置した場合は処罰する内容を盛り込んだ情報通信網法も、科学技術情報通信委員会を通過できなかった。

 性的目的のための持続的いやがらせ(ストーキング)行為を処罰する性暴力処罰法改正案も「継続審査」として残った。今年6月、法務部が総合的な対策を盛り込んだ特別法を発議する予定であり、法司委は第21代国会が始まれば、直ちに検討に入る方針だ。児童・青少年を利用したわいせつ物犯罪の通報に対する褒賞金を支給する案を盛り込んだ児童・青少年保護法も廃棄される予定だ。民主党所属のソン・ギホン法司委幹事は、「褒賞金を支給するとむしろ児童・青少年を利用したわいせつ物の検索をもっと増やしかねないという女性団体側の意見があり、保留になった」と説明した。

イ・ジヘ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
http://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/942737.html韓国語原文入力:2020-05-01 02:40
訳C.M

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