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重症患者の病床拡充・無症状の患者を見つける…「第2次流行」対策が急務

登録:2020-04-28 09:31 修正:2020-04-28 15:18
[新型コロナ、韓国国内での初発症から100日] 
 
爆発的な拡散の勢いは弱まったが 
「まだ現在進行形」防対本部長が警告

病床待機して死亡する患者が出ないように 
民間・公共の重症患者病床の協力など 
首都圏中心の広域動員体系が急務 
「隠れた患者」見つけて流行の予測を 
無症状・感染経路がわからない患者が多く 
無作為の抗体検査・再陽性調査に注目

陽川区は新型コロナ拡散防止のため暫定的に中止していた管内の敬老食堂の運営を再開した。27日午前、ソウル陽川区の西ソウル高齢者福祉館で高齢者らが仕切りのある食堂で食事をしている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 今月28日で韓国国内で初めて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染者が確認されてから100日になる。これまで新天地イエス教の集団感染や、国外からの流入伝播などで急増していた新規感染の規模は、最近になって1日10人前後へと激減している。来月6日からは「生活の中の距離措置」(生活防疫)に転換される可能性が高い。それでも、防疫当局は緊張を緩めてはならないという態度だ。この冬に第2次大流行が起きる可能性があると懸念を示したチョン・ウンギョン中央防疫対策本部長は、27日にも「COVID-19はまだ現在進行形」と警告した。専門家らは、いわゆる「静かな伝播」とともにいつでも起こりうる第2次大流行に備えるためには、安定した重症患者の治療体系の構築や“隠れた患者”を見つけ出すことに力を入れる必要があると口をそろえる。

■病床待機中に死亡することのないように

 患者の急増時期の最も大きな問題は、病床待機中に死亡者が相次いだことだ。大邱(テグ)・慶尚北道地域を中心に瞬時に患者が急増し、病床不足によって起きた出来事だった。低酸素症に苦しむCOVID-19重症患者は、体外式膜型人工肺(ECMO)などが備わった病床で熟練した医療スタッフによる治療を受けなければならない。しかし、地域ごとに医療資源の偏差が大きいため、少なくとも広域単位で事前に準備されていなければ、あわたふためくことにならざるを得ない。防疫当局は、新規感染者が1日50人以内なら現在の治療体系でも無理はないだろうと見込んでいるが、これを上回る場合にも備えなければならない。

 人口2600万人が密集している首都圏の場合、ソウルの上級総合病院数は13カ所であるのに比べ、京畿道と仁川はそれぞれ5カ所と3カ所のみ。しかし、人口は京畿道がソウルの1.3倍だ。COVID-19高危険群が密集する療養病院・療養院も、京畿道がソウルよりそれぞれ2.7倍(ソウル124カ所、京畿345カ所)と3.5倍(ソウル514カ所、京畿1814カ所)多い。イム・スングァン京畿道医療院安城病院長は「大邱・慶尚北道以外の地域は流行が深刻ではなかったため、まだまともにCOVID-19を経験したとは見なしがたい」とし、「万が一、首都圏で患者が急増した場合、ソウルが重症患者用の医療資源を京畿道と共有し、敷地に余力のある京畿道がソウルに軽症患者用の生活治療センターを提供するなど、協力体系を構築する必要がある」と述べた。嶺南大学病院のイ・ギョンス教授(予防医学)は「地域ごとに民間・公共病院がネットワークを構築しておき、患者が急増した場合、医療資源を迅速に共有できるようにすべきだ」と提案した。

■集団免疫調査も必要

 大規模な集団感染の火種となる可能性のある“隠れ患者”を見つけ出すことも課題に挙げられる。集団発症例であるソウル九老区(クログ)のコールセンターの8.2%、京畿道議政府(ウィジョンブ)の聖母病院の30%、慶尚北道醴泉郡(イェチョングン)の36%が、診断時点では何の症状もなかったという集計が出ている。特に九老区のコールセンターの無症状感染者8人のうち4人は、完治後の隔離解除の時まで症状が現れなかった。

 このため、既存の早い診断検査に加え、常時監視体系を構築すべきだという提案が出ている。翰林大医学部のイ・ジェガプ教授(感染内科)は「患者数は減少しているが、実際に感染が鎮まっているかどうかを確認する客観的な指標がない」と指摘した。疾病管理本部傘下の国立保健研究院が患者の検体を大量に収集し、特定集団の抗体保有率を調べようとしているのも、このような脈絡からだ。高麗大学安山病院のチェ・ウォンソク教授(感染内科)は「非常に軽症で感染自体を知らずに通り過ぎた患者をはじめ、表に現れていない患者がどの地域でどれだけいたのかを知ってこそ、今後の被害規模を予測し、対策を講じることができる」とし、「ただ、全国民を検査することはできないため、特定地域や高危険群である集団施設など適切な標本を対象にした方が良い」と述べた。防疫当局は、感染者が多かった大邱・慶尚北道を対象に献血血液の検体を確保しており、国民健康栄養調査と連携した検査も検討している。

 最近増え続けている再陽性の事例(27日現在で268人)も、追加伝播の可能性があるため注目すべきところだ。防疫当局はひとまず再陽性は死んだウイルスの断片が検出される水準なので、伝播の可能性はほとんどないということに重点を置いているが、警戒を緩めずに研究を進めている。

チェ・ハヤン、パク・タヘ、クォン・ジダム記者 tesom@donga.com

https://www.hani.co.kr/arti/society/health/942281.html韓国語原文入力:2020-04-28 07:11
訳C.M

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