「ソジンさん、オンライン授業を受けるのに何か問題はない? 先生がドライブスルーで会いに来たの」
約2カ月ぶりに顔を合わせた先生と生徒が嬉しそうに拳を突き合わせた。オンライン上の正規授業を終えた21日午後4時15分、ソウル冠岳区(クァナック)にある永楽医療科学高校1年5組の担任であるキム・ユンヘ先生(26)が、車に乗って奉天洞(ボンチョンドン)にいる教え子のユン・ソジンさん(16)の自宅前を訪れた。マスクに手袋、青い手術用のガウンまで身にまとい、防疫態勢を整えた担任の先生が自ら用意したビタミン剤やお菓子、ウェットティッシュ、手紙などが入った贈り物の袋を渡すと、ソジンさんが明るく笑った。ソジンさんは「新しい学校生活をとても楽しみにしていたが、オンライン授業だけで残念だった。先生が直接訪ねてきくれて、元気になったような気がする」と話した。
5分余りの短い面会を終えた後、キム先生はもう一人の教え子、ファン・ユビンさん(16)の家に向かった。今年2月の新入生オリエンテーション以降、約2カ月ぶりに担任の先生と対面したユビンさんの顔は、喜びでいっぱいだった。車の窓越しの対面だったが、ユビンさんは「オンライン授業にはなかなか集中できなかったが、これからはもっと頑張れると思う」と話した。
社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の一環として、生徒と教師が遠隔授業の画面でしか顔を合わせられない中、生徒が疎外されないよう“関係づくり”に励む教師たちの活動が注目されている。永楽医科高校の教師39人は、同日から新入生127人を含む全校生徒を訪ね、ドライブスルー方式で面会を始めた。同校のユ・インソン相談部長は「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で生徒たちと会えない状況で、いかに子どもたちと絆を築くかを悩んだ末、ドライブスルー方式を通じて子どもたちを励ますことができると考えた」と、主旨を説明した。
ドライブスルー面会に先立ち、同日、永楽医科高ではテレビ会議の形で生徒自治会も開かれた。これまで学校規則などを生徒自治会で作ってきたが、COVID-19で生徒同士の会合もできなくなったため、オンライン自治会を考案したのだ。
時間差を置いて生徒を学校に呼ぶ“ウォーキングスルー”方式で直接準備した授業補助資料を渡した教師もいる。ソウル冠岳区のある中学校は今月8日、16日、17日の3日間にわたり、教科別に教師らがオンライン授業に必要な補助資料を渡した。社会と英語教師は学習補助資料を作成し、国語教師は生徒たちが選んだ本を、美術教師はスケッチブックをプレゼントした。同校のK教諭は「一日中画面を見るだけでは集中できないと思い、追加で補助資料を配布すればいいのではないかという考えから、資料を用意した」と話した。
オンラインでの授業再開に落胆した生徒らを笑わせようと、校長先生自ら乗り出した学校もある。釜山(プサン)の東城小学校はオンラインで授業が再会された16日、校長先生が映画『アナと雪の女王』の主人公エルサに扮して、学校のあちこちを歩き回る様子を撮った動画を公開し、ネットユーザーたちの爆発的な関心を集めた。この動画はユーチューブで32万件以上再生された。エルサとして熱演したパク・ヒョンギュ校長は「生徒たちがCOVID-19で登校できず、外での活動もできないが、オンラインでの授業を肯定的に受け入れて、楽しく勉強することを望む趣旨で作った」と話した。