新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡散防止のため自宅隔離の通知を受けても、これに違反して告発される例が後を絶たない。自宅隔離期間中に毎日カフェを訪れたり、自宅に知人を呼んで酒を飲んだりした例もある。
ソウル瑞草区(ソチョグ)は10日、同区の36人目の感染者の女性Aさん(27)を感染症予防法違反の疑いで警察に告発する計画だと明らかにした。先月24日に米国から入国したAさんは、30日に瑞草区保健所での第1次検査で陰性と判定されたが、入国時に同じ飛行機に乗っていた確定感染者の接触者とされ、4日に自宅隔離通知を受けた。しかしAさんは、自宅隔離通知を受けた当日の午後、新沙洞(シンサドン)のスターバックスと焼肉店を訪問し、翌日も新沙洞のスターバックスを訪れた。6日午後にも同じスターバックスと焼肉屋を相次いで訪問した。Aさんは7日に2次検査で陽性判定を受け、8日にソウルポラメ病院に移送された。
ソウル麻浦区(マポグ)も、自宅隔離指針に違反して飲食店を訪れていたエチオピア国籍の20代男性Bさんを告発する方針だ。今月1日に入国したBさんは、2日から15日まで東橋洞(トンギョドン)の自宅で自宅隔離に入っていたが、9日に弘大入口(ホンデイプク)駅近くの飲食店を訪れたことが自宅隔離アプリを通じて確認された。
慶尚南道も10日、自宅隔離通知を受けていたにもかかわらず、知人を家に招き入れ酒を交えて食事をともにしていたCさん(60)を警察に告発した。今月7日にベトナムから帰国したCさんは、故郷の慶尚南道固城(コソン)の知人所有の空き家を借りて隔離中に、地元の6~7人の先輩や後輩と酒宴を催しているところを保健所の職員に発見された。8日にはソウル江南区が、疫学調査の際に風俗店に勤務していることを隠して「ずっと家にいた」と虚偽の陳述をした風俗店の従業員(36、2日に陽性判定)を警察に告発した。この従業員は先月27日夕方から28日未明にかけて、店で同僚職員と客116人に接触していたことが調査で分かった。
行政安全部は「隔離措置違反の捜査対象は10日現在87件96人で、このうち9件10人は書類送検された」と明らかにした。自宅隔離場所からの離脱が確認された場合、1年以下の懲役または1000万ウォン(約89万4000円)以下の罰金に処される。外国人は強制出国の措置を受け、再入国が禁止される。