30日の1日だけで感染者が58人も確認され、病院で最大の228人の集団感染を招いた大邱(テグ)の第2ミジュ病院とテシル療養病院の感染経路のミステリーが徐々に解けつつある。
大邱市感染症管理支援団のキム・ジョンヨン副団長(慶北大学病院公共保健医療事業室教授)は31日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)についての大邱市の定例ブリーフィングで「COVID-19に感染している部外者が、陽性判定を受ける前にテシル療養病院の7階に出入りしていたことを把握した。この部外者によって両病院のうち一方がまず感染し、その後も患者や従事者の接触と共同使用していたエレベーターなどを通じて感染が広がった可能性が高いと判断する」と明らかにした。
テシル療養病院(3~7階)と第2ミジュ病院(8~12階)は、大邱広域市達城郡多斯邑(タルソングン・タサウプ)に所在する同じ建物に入居しており、エレベーターなどを共同使用している。3月18日にテシル療養病院で2人の職員が初めて陽性判定を受け、26日には第2ミジュ病院でも1人の患者が陽性判定を受けた。以降、両病院では感染者が雪だるま式に増え、31日0時までに計228人(テシル療養病院94人、第2ミジュ病院134人)の感染者が集中した。清道(チョンド)デナム病院の集団感染者数(120人)をはるかに上回る、病院として最大の集団感染例となった。
疫学調査を行った防疫当局は、テシル療養病院で3月2日に初めて感染の疑われる症状の見られる患者が出たことを確認した。中央防疫対策本部のクォン・ジュヌク副本部長は31日の定例ブリーフィングで「防疫当局が残念に思うのは、テシル療養病院の従事者に最初の症状が現れたのが3月2日なのに、最終的に(COVID-19の)陽性判定を受けたのが3月18日と、かなり時間的な開きがあるという点だ。精神病院、療養病院、社会福祉施設の従事者は、少しでも体に異常があったり感染の疑われる症状が出たりした時には業務を行わないことが、より大きな被害を防ぐために非常に重要」と述べた。防疫当局は、3月2日以前にCOVID-19に感染した部外者が、第2ミジュ病院のすぐ下の階にあるテシル療養病院の7階に出入りしていたことを把握し、正確な接触対象を突き止めることに注力している。
特に第2ミジュ病院では、26日から27日にかけて74人が新たに確認されたのに続き、30日にも55人が確認された。これには、閉鎖的に運営される精神病院の特性も影響していると見られる。病棟は窓が開かず、入院患者は床で雑魚寝していた。空気を循環させる空調システムもまったくなく、各階に設置されている換気扇もきちんと作動していなかった。
キム・ジョンヨン副団長は「第2ミジュ病院は、内部の空気をきちんと吸い込んで外に排出すべき換気扇の力が弱く、空気がまともに循環していない密閉された環境だった。こうした点を考慮し、病院の全患者を濃厚接触者と見ている」と述べた。
一方、教会や病院を中心とした集団感染も広がりつつある。COVID-19集団感染が発生したソウル九老区(クログ)の万民中央聖潔教会関連の感染者は31日現在、37人に増えている。地域別ではソウル33人、京畿道光明市(クァンミョンシ)2人、仁川富平区(インチョン・プピョング)1人、全羅南道務安(ムアン)1人だ。このうち、万民教会の牧師や教会職員、信徒が25人、彼らと接触した家族と知人が12人だ。また、同教会発のさらなる集団感染も憂慮される。29日に陽性判定を受けた万民教会の2人の信者は、衿川区加山洞(クムチョング・カサンドン)のハイヒル複合ビル13階のコールセンターの職員だが、ここの74人の職員のうちの1人が陽性判定を受けたからだ。
京畿道議政府(ウィジョンブ)では、カトリック大学議政府聖母病院が4月1日朝8時から全面閉鎖される。80代の女性患者Aさんが30日に陽性判定を受けたのに続き、31日にも看護師や看病人など7人が新たに陽性判定を受けたからだ。新たに確認された患者はAさんと同じ8階の病棟にいたことが確認された。病院側はAさんが通った救急室と8階病棟に限り、直ちにコホート隔離を行った。また、救急室と8階病棟の医療陣、看病人、保護者など512人に対する診断検査を行い、感染者に接触した医療陣など49人の職員と13人の一般患者は自宅隔離に入るとともに、疫学調査を実施している。