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5年生「テレビ学級」遊びのようにクイズ…子どもたちは20分で注意散漫に

登録:2020-03-30 09:45 修正:2020-03-30 15:12
大邱の辰月小学校「オンラインクラスルーム」に入ってみると

教師が「テレビ授業」について尋ねると、 
「学校に早く行きたい」生徒たちの反応 
「でも顔が見れてよかった」 
 
まだ参加を嫌がる生徒もおり 
脳病変障害の生徒は書き込みを代筆 
 
「双方向授業は10人を超えると無理 
学習誌を与え電話相談するのと並行する必要」

27日、大邱の辰月小学校のシン・ミンチョル先生がクラスの生徒たちとグーグル「ハングアウトMeet」を活用して「テレビ学級」を開いている。COVID-19で始業が延期されたが、毎日午前10時にオンラインで対話し、学習資料などを共有する=画面のキャプチャーより//ハンギョレ新聞社

 「誰かミジン(以下、生徒名は仮名)と連絡取ってる人はいる? 先生の代わりに電話して、ここに入ってくるよう伝えてくれるかい?」

 先月27日午前10時、大邱(テグシ)の辰月小学校5年3組の担任教師、シン・ミンチョル先生がグーグルの「ハングアウトMeet」を利用して作ったオンラインクラスに、子どもたちが一人ずつ入ってきた。シン先生はチャットに順番に表示される名前と顔で子どもたちの入場を確認した。

 新学期が延期され、シン先生は今月18日から午前10時ごとに30~40分ほど「テレビ学級」を開いている。オンラインで基本的なコミュニケーションを行い、簡単な学習コンテンツを共有する。シン先生が担任を務める3組の生徒20人のうち、この日テレビ学級ルームに入った生徒は全部で7人。シン先生は「まだ正規の授業ではないので、最大限参加を誘導しているレベル」だと説明した。参加しなかった生徒の理由は様々だが、親がスマート機器の使用自体を嫌う場合もあり、本人の顔を出すことを嫌がる生徒もいるということだ。

 シン先生が画面に「今週自分がやったことを書いてください」というタイトルの共有文書を上げると、子どもたちは各自配分された欄に「学習紙の宿題をした」「○○学習の映像を見た」などの内容を書き込んだ。さらに、皆がゲームのように参加できる英単語クイズと世界国旗クイズを一緒に解いた。シン先生は、子どもたちの名前を一人ひとり呼んで参加を誘導した。

 「みんな、始業がもっと延期されたらこのままオンラインで会うことになるけれど、どう思う?」というシン先生の質問に、子どもたちは「もう家が牢屋みたい」「早く学校に行きたい」などとうんざりした様子を見せた。「勉強の心配はないかい」という質問に対し、子どもたちは「後から学校に行って習えばいいから、今は大丈夫」と笑った。ヘミは「でもこうして友達と先生の顔を見られてよかった」と話した。

 しかし、小学校高学年の5年生でも、テレビ学級が始まって20分も経たないうちに子どもたちの注意が散漫になり始めた。シン先生は子どもたちの名前を呼び、注意を呼びかけるのに難儀した。元々声の大きいジンチョルは、マイクをしばし切っておかなければならないこともあった。脳病変障害のあるジュンシクは反応が特に遅く、シン先生は時々ジュンシクの状況を尋ね、代わりに文を書きこんであげなければならなかった。これよりもっと長い時間授業を進めることができるか疑問だと、シン先生は伝えた。政府は「リアルタイム双方向授業」だけでなく、「コンテンツ活用中心授業」「課題遂行中心授業」など多様な方式の遠隔授業に門戸を開いたが、「リアルタイム双方向授業」が主に推奨されているからだ。

 オンライン学習プラットフォーム「学校に行こうドットコム」を企画するなど、シン先生はあえて分類するなら情報通信の活用能力に優れた教師だ。そんな彼でさえも「双方向授業は最大10人程度を対象にする時に可能だと思う。それ以上は無理がある」と述べた。それだけでなく、生徒ごとにスマート機器を持っているか否か、学習を手助けする保護者がいるかどうか、遠隔授業を行う教師の力量など、考慮すべき要素はあまりにも多いという。

26日午前、江原道春川市の江原道教育庁で富平小学校教師のナム・ジョンファ先生がオンライン授業を行っている。もし「オンライン始業」をする場合、このような方式のリアルタイム双方向遠隔授業が避けられない見通しだ/聯合ニュース

 にもかかわらず、仕方なく遠隔授業が導入される状況に備えた準備が急がれると、シン先生は強調した。彼は「無条件にオンライン授業だけで全てのことを解決しようとすれば、情報通信関連のアクセス性と力量が足りない教師と生徒の目線に合わせることは難しい」と話した。非常事態でやむを得ず導入する非常手段であることが前提になるべきだということだ。紙でできた学習紙を各家庭に渡し、電話を通じて学習と相談をできるようにするなど、第一線の学校とクラスごとの状況に合わせて多様な補完策を並行すべきだという提案だ。

チェ・ウォンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/934746.html韓国語原文入力:2020-03-300 7:49
訳C.M

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