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世界が新型コロナで苦しんでいるのに…北朝鮮、またもや短距離ミサイルを発射

登録:2020-03-30 00:38 修正:2020-03-30 07:19
今年に入って4回目…今回は東海に2発 
距離・高度などから超大型放射砲の可能性も 
合同参謀本部「世界的な困難の中、不適切な行為はやめるべき」 
北朝鮮が今月21日、金正恩国務委員長が視察する中、「戦術誘導兵器の射撃実験訓練」を行ったと発表した短距離弾道ミサイルの発射シーン//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮が29日午前6時10分に元山(ウォンサン)一帯で短距離弾道ミサイルと推定される2発のロケットを北東方方向に向かって東海上に発射したと、合同参謀本部(合参)が発表した。北朝鮮は8日前にも短距離飛翔体を発射しており、今回で今年に入って4回目の発射実験を行った。

 合参によると、北朝鮮が今回発射した飛翔体の飛行距離は約230キロメートル、高度は約30キロメートルで、詳細な諸元は韓米情報当局が精密分析中だという。

 移動式発射車両(TEL)から発射された飛翔体2発には、レーダーをかく乱する目的のいわゆる「プルアップ(pull-up、滑降および上昇)」」の飛行特性が見られず、他の放射砲などと共に発射する「混合発射」などもなかったという。国防部の関係者は「発射間隔は20秒」と述べた。

 合参が発表したいくつかの数値から、これは北朝鮮が今年最初となる今月2日の「超大型放射砲」である可能性がある。北朝鮮は今月2日にも元山一帯で、東海方向に飛翔体2発を20秒間隔で発射したが、当時飛行距離が240キロメートル、高度は35キロメートルだった。

 合参は北側の今回の発射について「現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって世界的な困難に直面している状況で、北朝鮮のこうした軍事的行動は極めて不適切な行為であり、直ちにやめるべきだ」と述べた。さらに「韓国軍は追加発射に備え、動向を追跡・監視すると共に準備態勢を維持している」と付け加えた。

 大統領府は「午前7時頃、国家安保室長の主宰で国防部長官や国家情報院長らが出席した緊急テレビ対策会議を開き、軍の態勢維持を指示した」とし、「安保室は国防部と国情院から北朝鮮の短距離飛翔体の発射状況について随時報告を受けており、関連動向を注視している」と発表した。

 韓米軍当局は北朝鮮の相次ぐ短距離飛翔体発射を冬季訓練の一環であると共に、長期制裁とCOVID-19局面で内部結束を固めるための行為と見ているという。

 北朝鮮は今月2日、元山一帯で短距離発射体2発を初めて発射しており、1週間後の9日に咸鏡南道宣徳(ソンドク)一帯で短距離飛翔体3発(飛行距離200キロメートル、高度50キロメートル)を、12日後の21日には平安北道宣川(ソンチョン)一帯で短距離弾道ミサイル2発(飛行距離410キロメートル、頂点高度50キロメートル)を発射した。

 同日、NHKも、北朝鮮が29日午前6時10分頃、北朝鮮の海岸から弾道ミサイルと推定されるものを北東に向けて発射しており、最大約250キロメートルを飛行して6時13分頃北朝鮮東北部沿岸付近に落下したとみられるという日本政府の発表を報道した。同放送は落下地点が日本の排他的経済水域の外と推定され、航空機や船舶被害などは確認されなかったと報じた。

イ・ジェフン、キム・ソヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/934739.html韓国語原文入力:2020-03-29 22:20
訳H.J

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