本文に移動

新型コロナ感染者の住所、職場の非公開が新しい原則に

登録:2020-03-16 01:27 修正:2020-03-16 10:32
「プライバシーを考慮」など動線公開指針変更へ 
すべての接触者確認のときは動線非公開もありうる
九老区の施設管理公団の関係者らが11日午後、新型コロナ感染者が多数確認されたソウル九老区のコリアビルディング前のバス停で防疫作業を行っている//ハンギョレ新聞社

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染者の動線公開を巡り、プライバシーの侵害との批判が起きている中、防疫当局は今後、詳しい自宅の住所や職場名など、個人を特定できる情報は原則として非公開とすることにした。

 中央防疫対策本部(防対本)は14日、最近の国家人権委員会の勧告を反映した「確定感染者動線公開指針」をまとめ、各地方自治体に配布したと発表した。今回の指針は、患者のプライバシーを保護するため、居住地の詳しい住所や職場名などは原則的に公開しないこととした。移動経路や訪問場所なども以前のように詳しくは明らかにしない。

 同指針によると、今後は感染者の症状、マスク着用の有無、滞在期間、暴露状況と時期などを考慮し、感染が懸念されるほどの感染者との接触が生じた場合にのみ、当該場所と移動手段を公開する。その際に公開する情報は、接触者が発生した建物の階と部屋番号、店舗名および時間帯▽商号名、所在地▽公共交通機関の路線名、号車番号、乗車地と乗車日時、下車地と下車日時などだ。疫学調査の結果、患者が訪問した空間のすべての接触者が把握された時は、感染者の動線を公開しないこともありうるという内容も盛り込まれた。公開対象期間は症状発生1日前から隔離日までで、疫学調査で症状が確認されなかった場合には検体採取1日前から隔離日までだ。

 防疫当局が患者の移動経路の公開指針を変更することになったのは、人権保護の目的だけでなく、疫学調査と接触者管理において「選択と集中」が必要な時期となっていることとも関連する。COVID-19の発生初期とは違い、小規模集団感染が散発的に発生している今は、リスクが大きい状況に優先的に対応した方がより効率的だからだ。

 代表的なケースは家族だ。防対本のチョン・ウンギョン本部長は11日のブリーフィングで「(感染者の)家族や同居人、知人らへの伝染力が高く、映画館などで暴露したケースは多くなかった」とし、防犯カメラの映像で多重利用施設などの動線をいちいち調査するより、感染者と密接に接触する可能性が高い家族などをまず隔離することが重要だと説明した。実際に中国で発生したCOVID-19の2次感染原因のうち、65~75%は「家族」との調査結果が出ている。

ソン・ダムン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/932672.html韓国語原文入力:2020-03-15 20:47
訳D.K

関連記事