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[インタビュー]「若い患者は1~2週間以内に好転…解熱剤や風邪薬でも効果」

登録:2020-03-04 02:33 修正:2020-03-04 07:32
啓明大学大邱東山病院のイ・ジヨン感染管理室長 
「地域拠点」大邱東山病院に250人入院 
大半の患者に肺炎症状見られるが 
心筋炎など、ほかの重症疾患を患うケースも 
ほかの病院で患者があふれ 
4~5日前から重症入院者が増加 
医療陣の交代要員が不足し、休みがない
先月25日午後、COVID-19感染者用の隔離病床が設けられた大邱市中区の啓明大学大邱東山病院で。医療スタッフが言葉を交わしている//ハンギョレ新聞社

 「軽症患者は症状が1週間以内に良くなりました。若くて健康な人の場合、酸素呼吸器を使わなければならないケースも多くはありませんでした。そのような人には重症患者に使われるエイズ治療薬(カレトラ)、抗マラリア剤(ヒドロキシクロロキン)ではなく、解熱剤や風邪薬を使用します」

 3日、啓明大学大邱東山病院のイ・ジヨン感染管理室長(感染内科教授)は、自らが見ている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者らの特性が症状の程度によって違って現われると説明した。イさんが感染管理室長として勤務する同病院は、COVID-19地域拠点病院に指定されており、先月21日から約300病床でCOVID-19の患者を治療している。現在は約250人の感染者が入院している。

 前日とこの日のハンギョレの電話インタビューでイ室長は、大半の入院患者に肺炎の症状が見られたが、特に重症患者は人工呼吸器を着用したり、心筋炎(心臓の筋肉の炎症)、臓器不全(臓器が正常に機能しないこと)のような重症疾患を患う場合もあると述べた。治療に長い時間がかかるというのだ。しかし彼らとは違い、20~30代の患者は相対的に好転するのが早いという。「若い患者は概ね1~2週過ぎると症状がありません。陰性反応が出るのを待って退院するんです」。イ室長は、軽症患者はそれぞれの症状に合わせて治療すると述べる。熱が出たら解熱剤、咳をすれば風邪薬、下痢には下痢止めを処方するという風にだ。

啓明大学大邱東山病院のイ・ジヨン感染管理室長//ハンギョレ新聞社

 大邱東山病院は、拠点病院に指定された当初は軽症患者たちが主に入院してきていたが、4~5日前からは重症患者が多く入ってきている。感染者が急増し、重症患者を主に担当していた他の大学病院が、全員を受け入れることが難しくなったためだ。イ室長は「政府が軽症者と重症者を分けて対応するように(2日に)指針を改正したが、現場で診療に当たっていて、そのように分けて治療せざるを得ないと予想していた」と語った。

 この指針によって、大邱東山病院にいた39人の軽症患者は2日に生活治療センター(教育部中央教育研修院)に移った。イ室長は「状態が好転し症状がない人たち、今後陰性判定を受ければ帰宅できる人が生活治療センターに行くことになった。個室があてがわれるので喜んでいる人もいるが、1週間で3回も隔離場所が替わったので不満を示す患者もいた。指針が変わる前は軽症患者もほかの大学病院で受け入れていた。人数が増えすぎたため当院に来て、また生活治療センターに行くはめになった人たちだから」と説明した。彼らが去った場所には重症患者が入院している。

 大邱東山病院は重症の入院患者が増え、物資の補充が必要な状況だ。医療陣も増えたため、レベルD防護服もさらに多く必要となる。イ室長は「防護服は各人の数量を決めて着ている。当面、防護服がなくて着られなくなる人はいないが、供給が円滑に行われなければいつかは足りなくなるかもと感じるほど」だとし「(防護服を)着たり脱いだりしながら数を毎日数える」と語った。

 医療陣は過労に苦しんでいる。看護師は8時間ずつの3交代。防護服を着て直接患者と接する医療陣は2時間ずつの交代勤務をしている。イ室長は「休日なしに働いているが、医療陣の交代要員が不足しているため」とし「放射線技師、臨床検査技師、看護士が絶対的に不足している。私も毎日夜おそく帰っている。どれほど持ちこたえられるかは、私も断言は難しい」と述べた。

パク・ジュニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/930970.html韓国語原文入力:2020-03-03 21:35
訳D.K

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