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劣悪な環境に死者あいつぎようやく…デナム病院の隔離患者60人を移送

登録:2020-02-28 02:21 修正:2020-02-28 07:21
国立精神健康センター、国立中央医療院などに
27日午後、慶北の清道デナム病院。入院患者と医療陣が国立精神健康センターに移動するためバスに乗り込んでいる//ハンギョレ新聞社

 保健当局は、慶尚北道の清道(チョンド)デナム病院に隔離されたまま新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療を受けてきた5階の閉鎖(保護)病棟の患者全員を、他の病院に移送することにした。デナム病院の劣悪な環境のせいで人命被害がさらに拡大しかねないという懸念によるものだ。27日現在、COVID-19に感染したデナム病院の114人の患者のうち、閉鎖病棟の60人の患者が今も同病院で治療を受けている。

 中央災難安全対策本部のキム・ガンリプ第1総括調整官は、27日の定例ブリーフィングで「デナム病院の患者全員を他の病院に移送して治療することが適切だと判断し、26日に18人を症状ごとに国立中央医療院(6人)と国立精神健康センターに移した」とし、「本日も19人、うち4人の重症患者は国立中央医療院に、残りは国立精神健康センターに移送する」と明らかにした。

 保健当局は25日に、5階の閉鎖病棟の患者たちを2階の一般病棟へ移して治療することを明らかにしている。すぐにこの決定が変更されたことについて、チョン・ウンギョン中央防疫対策本部長は「国立精神健康センター長と国立中央医療院長が協議した結果、患者を安全に治療するためには、病院内の廃棄物管理など、様々な面でより良い環境が必要だと判断し、患者を転院させることにした」と説明した。5階の閉鎖病棟だけでなく2階の一般病棟でさえ、患者を治療するには適切な環境ではないという判断を遅まきながら下したのだ。

 閉鎖病棟の患者のうち軽症に分類された60人あまりは、国立精神健康センターで治療を受ける予定だ。国立の精神医療機関で新型感染病の患者を治療するのは今回が初めてだ。当初、同センターにはCOVID-19を治療する内科医療スタッフがおらず、患者を移送できなかった。同センターの関係者は「現在、3名の内科専門医と6名の看護師を派遣してもらっている」とし、「患者移送を段階的に進め、来週初めごろには我々が60~70人の患者を見ることになると思う」と説明した。しかし、60人あまりを治療するのが派遣された9人だけというのは圧倒的に足りない。さらに、感染症への対応に慣れていない精神健康医学科の医療陣の感染リスクを最小化するためには、病院内の総合的な感染管理の責任を負う専門の人材が2人以上は必要だという助言もなされている。2015年には、京畿道が感染内科のない水原(スウォン)病院をMERS治療の専門病院に定め、同病院には安全確保のために大学病院の感染内科専門医が派遣されている。

 COVID-19と精神疾患を同時に患う患者を治療するためには、両分野の医療陣間の緊密な協業も必要だ。すでにデナム病院から患者を受け入れ、治療を行っているある感染内科専門医は「患者を受け入れてすぐに、精神健康医学専門医と毎日治療法を論議している」とし「患者が元々服用していた精神科の薬とエイズ治療薬のような薬がどう反応するか分からないので、これについての協業が必要」と話した。

パク・ヒョンジョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/930225.html韓国語原文入力:2020-02-27 21:40
訳D.K

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