光州(クァンジュ)広域市に5・18民主化運動の代表的象徴のおにぎりを食べられる食堂が5カ所生まれた。おにぎりは戒厳軍に抵抗した市民たちが作り、一緒に分け合って食べた食事で、大同の精神を意味する。光州市は料理専門家たちの助言を得て、おにぎりの商品化に力を注いでいる。
光州市東区光山洞(クァンサンドン)の「パプ(ご飯)コンサート」は初のおにぎり専門店だ。この食堂は、5・18民主化運動当時に市民軍の拠点だった旧全羅南道庁(現、国立アジア文化殿堂)から200メートルほど離れたところにある。今月初めに開店したパプコンサートは、無等山(ムドゥンサン)ナムルおにぎり、フラワーおにぎり、豚カツおにぎりなど16種類のおにぎりメニューを準備した。
代表メニューのおにぎりセットの価格は5180ウォンだ。おにぎりセットは、2種類のおにぎりの他にサンチュ、天ぷらとクッス(麺)・トッポッキ(もち炒め)、おかず二種が付く。パプコンサートは5・18民主化運動の象徴性を考慮し、おにぎりセットの価格を5180ウォン(約480円)にした。パプコンサートのクォン・ヨンドク代表は「食堂に来ておにぎりを食べた方が『独特だし、見た目もきれい。味も良い』と言ってくださる。5000ウォン程度なら、おにぎりを選んでおいしく召し上がってもらえると思う」と話した。
光州市は昨年10月、公募を通じて「パプコンサート」をおにぎり専門食堂に選定し、看板と内装工事費などを支援した。食堂では5・18おにぎりの根源を伝えるオンライン漫画も見られる。光州市の食品安全担当者は「料理専門家の助言を得て、おにぎりの調理法を開発し教えるなど、味に気を遣い、若者が来て写真も撮れるように整えた」と話した。
光州市内の食堂4カ所も、既存のメニューの他に光州名物おにぎりメニューを加えて提供している。東区東明洞の「マムズクック」、南区楊林洞(ヤンニムドン)の「幸せの楊林食卓」、西区治平洞(チピョンドン)の「タルダ」、KTX光州松汀(ソンジョン)駅の「光州おにぎり・オベククッス」などでも、5・18の象徴であるおにぎりを味わうことができる。