李明博(イ・ミョンバク)政権時代に警察によるコメント工作を指示した疑いで裁判に付されたチョ・ヒョノ元警察庁長官が、一審で懲役2年の実刑を宣告され法廷拘束された。
ソウル中央地裁刑事29部(カン・ソンス裁判長)は、職権乱用の容疑で起訴されたチョ元警察庁長官に対して懲役2年を宣告した。チョ元長官は2018年10月に拘束起訴され、昨年4月に保釈請求が認められ不拘束状態で裁判を受けていたが、この日保釈が取り消され法廷拘束された。裁判所は「警察官の自由を侵害し自己恥辱感を感じさせ、国民による自由な世論形成を阻害し、警察に対する国民の期待と信頼を裏切り、非難の可能性がきわめて大きい。国家の公的組織を利用した犯行により支出された国家費用も大きく、罪責に相応する厳しい処罰が必要だ」と判断した。
裁判所は、世論操作の指示などがチョ元長官の一般的職務権限に該当し、警察官がこうした行為をしたことは法令で規定された警察の職務範囲を超えた「義務なき仕事」と判断し、チョ元長官が職権を乱用したと認めた。
チョ元長官は、2010~2012年にソウル地方警察庁長官と警察庁長官に在職していた当時、政府に友好的な世論を作る目的で警察庁保安局と情報局に所属する警察官1500人余りを動員し、オンラインでコメントを作成させ、サイバー世論活動を主導した容疑で起訴された。警察庁特別捜査団による調査の結果、当時情報警察官は家族など他人のアカウントを利用して民間人のふりをして韓進重工業「希望バス」、「天安(チョナン)艦事件」、「口蹄疫事態、韓米自由貿易協定(FTA)」、「済州(チェジュ)江汀(カンジョン)マウル」などの懸案に関して、政府を擁護するコメント3万7000件余りを書いたことが把握された。検察は昨年12月に開かれた結審公判で、チョ元長官に懲役4年を求刑していた。